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企画展「指先に宿る命 台湾布袋戯(ポテヒ)の原点」が開幕、台北木偶劇団が特別上演

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターは「TAIWAN TOPパフォーミングアーツ・グループ」に所属する台湾伝統人形劇「布袋戯(ポテヒ)」の劇団「台北木偶劇団」を招き、東京・虎ノ門の台湾文化センターで企画展「指先に宿る命 台湾布袋戯(ポテヒ)の原点」の開幕式を8月29日に開催した。

開幕式には台北駐日経済文化代表処の李世丙・副代表、「座・高円寺」劇場アートディレクターの佐藤信氏、日本伝統糸あやつり人形劇団「結城座」十二代目の結城孫三郎氏、国立台北芸術大学教授の林于竝氏らをはじめとする多くの台日伝統芸能界の方々が出席し、日本の各界に向けて台湾布袋戯の魅力を紹介した。


企画展「指先に宿る命 台湾布袋戯(ポテヒ)の原点」のポスター

布袋戯は、台湾人が子どもから大人になるまでの共通の記憶であり、台湾郷土文化の魅力の特色が詰まっており、日本でも深く愛されているが、日本ではこれまで台湾布袋戯の歴史を紹介する展覧会がほとんど行われたことがなかった。

そこで、台北木偶劇団が新型コロナウイルス後、台湾の伝統芸能劇団として初めて9月3日と4日に来日上演するのに合わせ、台湾文化センターは台北木偶劇団に今回の展覧会の企画を依頼し、台湾布袋戯の魅力と歴史をより多くの日本の方々に紹介する。今回の展覧会は、台湾文化センター開館以来初めての台湾布袋戯に関する展示であり、極めて特別な意義がある。


李世丙・駐日副代表(2列目右3)、 佐藤信・「座・高円寺」劇場芸術監督(2列目左3)、 「結城座」十二代目・結城孫三郎氏(2列目左2)、 林于竝・国立台北芸術大学教授(2列目左1)、 林永志・台北木偶劇団団長(2列目右2)、 王淑芳・台湾文化センター長

開幕式では、台北木偶劇団と300年の歴史を誇る日本伝統の糸あやつり人形劇団「結城座」による共同上演が行われた。台日の人形劇が同じ舞台で共演し、台湾伝統芸能の生命力と日本の人形劇の芸術的な魅力に、会場は感嘆の声と感動に包まれた。


台北木偶劇団の呉聲杰演師(左)と「結城座」十二代目結城孫三郎氏(右)との掛け合い

開幕式で挨拶した李世丙・駐日副代表は、「私も小さな頃から布袋戯を観て育った。このたび台湾の布袋戯が日本で展示および上演されることを非常にうれしく思う。台湾と日本の交流はこれまでずっと非常に緊密で、近年は新型コロナの影響により、日本の方々が台湾に観光旅行に行けない状況が続いているが、 今回の台湾文化センターでの布袋戯の展覧会は、日本の方々に台湾文化の魅力を体験してもらうことで、台湾に行った気分で楽しみ、台湾への思いを感じていただきたい」と述べた。


三国演義の布袋戯人形と李世丙・駐日副代表(左)

台北木偶劇団は9月3日と4日に東京都杉並区の「座・高円寺」劇場で日本の糸あやつり人形劇団「結城座」と「布袋劇 劈山救母(ヘキサンキュウボ)」を共同上演する。 日本の著名な劇作家である佐藤信氏が監督を務め、 台日の人形劇の国際共同創作を通して、 台湾の伝統芸能の言葉と文化の壁を突破し、 イノベーションとジャンルを超越したパフォーマンスが、 日本の演劇界ならびに人々の注目を呼びそうだ。


台湾布袋戯の人形について説明する台北木偶劇団の呉聲杰演師

今回の展示は、「台湾布袋戯を知る」、「南管布袋戯」、「北管布袋戯」、「内台布袋戯(室内劇の布袋戯)」、「テレビ布袋戯」、「新生布袋戯、 子ども向け布袋戯」の6つのテーマ展示と体験エリアからなり、伝統的な布袋戯の演台の姿や人形の独特な美学を再現し、日本の人々に向けて分かりやすく台湾布袋戯の歴史文化と特色を紹介している。


写真左より、 林永志・台北木偶劇団団長、 王淑芳・台湾文化センター長、 李世丙・駐日副代表、 佐藤信・「座・高円寺」劇場芸術監督、 呉聲杰・台北木偶劇団演師

同展の会期は2022年8月29日~10月13日で、会期中は毎週金曜日午後3時より台北木偶劇団による台湾伝統民間故事を改編し、光と影により演出された『白賊燈猴天借膽』(神の威を借るウソつき灯猿)のビデオを上映する。 現在は自由な台湾観光がまだ制限されているが、台湾の素晴らしい布袋戯を日本の方々に観ていただけるよう期待している。

イベント公式ウェブサイト
https://jp.taiwan.culture.tw/information_34_147531.html

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