5月13日(火)1日限定上映
fOUL
90年代初頭にUSパンク/ハードコア直系のサウンドで日本の音楽シーンに新境地を切り開いたバンド、 BEYONDSの谷口健(Vo./G.)、大地大介(D.)が1994年、札幌ハードコア出身の平松学(B.)を誘い3人で結成されたバンドがfOUL(ファウル)。
そのfOULのまさかのドキュメンタリー映画が完成した。
fOULはアメリカン・ハードコア/パンクと日本独特のメロディ、語彙を融合、どこにも存在しない音楽性で、
eastern youthやbloodthirsty butchersとのライヴ活動や音源発売、「砂上の楼閣」と題された自主企画ライヴを計34回にわたって主催、
サンフランシスコ、バンクーバー、ロサンゼルスでの海外レコーディングを行い、鉄壁のリズムと何かがおかしくも掻きむしられるギター、
繊細に吠えるボーカルのアンサンブルが「いったい何に遭遇しているのか」
表現できない衝撃とともにアンダーグラウンドで絶大な影響を及ぼしたバンドだ。
海外レコーディングではフランク・ザッパやエルトン・ジョン、U2やモリッシーを手掛けるエンジニア/プロデューサー、
ジョー・チカレリがプロデュースを買って出ており、その無類の音楽性に出会い、焦ったのかもしれない。
だが、4枚目のフルアルバム発表後の2005年、fOULは突如休憩を表明し、以後16年が経過、バンドは蘇生することなく現在に至っている。
監督は音楽レーベルLess Than TVの魔力に迫った『MOTHER FUCKER』(2017)、
パンクロックバンドthe原爆オナニーズを描いた『JUST ANOTHER』(2020)に続き、これが長編3作目となる大石規湖。
各所に散らばっていたアーカイヴ素材を発掘、ライヴ映像を中心にバンドと音楽のみが存在する、
観る映画であり、聴く映画であり、ライヴを体感する映画としてまとめ上げた。シンプルかつダイナミックに構成された、
言葉や情報に頼らない巧みな編集は、まさにその魅力に言葉が追いつかないfOULを描くに相応しいものとなった。
音楽のミックスはfOULやeastern youthのライヴのPAを担当する今井朋美の監修のもと、元eastern youthのベーシスト二宮友和が手掛けている。
破格の成功もない。感動のドラマもない。知られざる真実や内幕もない。ここにあるのは未だ色褪せぬ豊潤な音楽、
バンドをやる楽しさと喜びだけ。過去にライヴ音源や映像作品の発表はなく、
全アルバム作品が廃盤状態のfOULの現状唯一の入り口となるのが映画『fOUL』だ。
●あらすじ:その音楽性と佇まいに言葉が追いつかない、魅力が言語化不能なバンドfOULが、遠慮なく大さらけ出しのライヴを展開する。
監督
大石規湖
キャスト
谷口 健、平松 学、大地大介
スタッフ
監督・撮影・編集:大石規湖
音楽:fOUL|音楽ミックスエンジニア:二宮友和|音楽ミックス監修:今井朋美