1位『20歳よ、もう一度』
70歳の頑固なおばあちゃんが20歳の頃の姿に！　若さを手に入れ、子育てで過ぎ去った青春を取り戻そうとするヒロインが奮闘するハートフルコメディです。笑いたっぷりである一方、家族とは、そして人生とは何なのかを考えさせられます。原作の韓国映画『怪しい彼女』と見比べてみても楽しく、ヒロインの憧れが原作ではオードリー・ヘップバーンだったのがテレサ・テンになるなどローカライズが絶妙。主演のヤン・ズーシャン、孫役のルハン（元EXO）の高い歌唱力にもうっとりです。

　2位『少年の君』
キャストが最高！　主演は「中国13億人の妹」ことチョウ・ドンユイとイー・ヤンチェンシー。イー・ヤンチェンシーは中国の国民的ボーイズグループ「TFBOYS」のメンバーで、イケメンアイドルとして不動の人気を得ていますが、本作で演技派俳優としての地位も確立したのではないでしょうか。それほど2人の繊細な演技が光りました。作品ではいじめ、受験戦争、格差社会という難しいテーマの中で優等生と不良少年の静かでイノセントな絆が描かれています。ラスト、2人が目と目で語りあうシーンは……言葉の前に涙があふれてきます。

　3位『チィファの手紙』
岩井俊二監督が手がけた小説を原作に、監督自身が日本と中国それぞれでメガホンをとったという異色の作品。中国版『チィファの手紙』も日本版『ラストレター』も主人公が亡くなった姉のふりをして、かつての想い人と文通するという物語ですが、同じだからこそ日中の文化や社会の相違がくっきりと浮き彫りになりました。その違いが生み出す空気には、日本版は爽やか、中国版はしっとりと全く異なる印象を受けます。中でも中国の過酷な競争社会を背景に、亡き姉が行ったスピーチは胸に迫るものがあります。くじけそうな時にぜひ思い出したい言葉です。

　4位『恋するシェフの最強レシピ』
「破天荒な天才シェフ×グルメな実業家」のラブコメ。ある意味王道展開で、たとえ反目しあっても、強力なライバルが現れても安心して見ていられます。無茶なオーダーにも屈せずノリノリで料理をするチョウ・ドンユイは見る者を楽しくさせ、そしてちょっと3枚目な金城武がとってもキュート！　料理の映像も素敵でお腹が空いてくる！　特にインスタントラーメンの食べ方は真似してみたくなります！

　5位『シチリアの恋』
運命的な出会いをしたジュンホとシャオヨウの中韓カップルの物語。2人は結婚の約束を交わすも幸せは長くは続かず、ジュンホは突然別れを告げ……。愛する人を悲しませないためには何も言わず去るべきなのか、それとも真実を伝えて添い遂げるべきか……答えのないこの問題に対し、イ・ジュンギ演じるジュンホが見せる優しさに泣きっぱなし！　また劇中のイ・ジュンギによるキュートな恋ダンスも必見です！

沢井メグさん
ライター／中国語翻訳者。エンタメ系を中心に中華圏のニュースの執筆、取材、翻訳。東洋経済オンライン、プレジデント、ロケットニュース24など。主な訳書にルアン・グアンミン著『用九商店』、毎日青菜著『DAY OFF』
Twitter　 @Megmi381