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今週のキーワード

KNTVでの日本初放送に合わせて、毎週放送された2話分から気になるワードをピックアップ!

解説していきます。

【3話&4話】比翼鳥/テンギ

つがいでないと飛べない鳥、比翼鳥

仲睦まじい夫婦の象徴といわれる比翼鳥。
雌雄がともに目と翼を一つずつしか持っていないため、必ずつがいで一体となって飛ぶという、中国の伝説上の鳥です。

比翼鳥はサイムダンとギョムの運命を暗示しているといっていいでしょう。
この鳥の一方を象った印形を自分で彫り、ギョムに渡すサイムダン。そしてもう一方はギョムに彫ってくれとおねだりします。

当時としてはかなり積極的な女性のように見えますが、想いをそのままぶつける素直な姿は、何事にも真っ直ぐに向き合うサイムダンの性格そのものといっていいでしょう。

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流行が産んだテンギ

女性が三つ編みのおさげの先に結ぶ飾りをテンギといいます。

百済時代に未婚の女性は髪をおさげにして後ろに垂らすという記録が残っており、新羅時代には絹の紐などで髪を編んだり結んだりしたという記録があります。

高麗時代に入ると元からの影響もあって、未婚女性はおさげ髪に赤いリボンのような飾りを結ぶのが流行しました。
これが朝鮮時代まで続きました。

普段使うものは自分で作るので、刺繍や彩色などで美しさを競ったことでしょう。
ギョムがサイムダンに送った芍薬の絵が入ったテンギは、今なら街中のうわさになるほど美しかったのではないでしょうか?

来週は2月14日(火)更新!
【5話&6話】のキーワードをご紹介します。
お楽しみに!


「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight

Text:青島昌子(ライター、韓国語翻訳家) 
1990年代に韓国に留学。帰国後は翻訳、通訳として活動。韓流ブームとともに執筆活動に入る。翻訳書「スノーキャットのひとりあそび」(二見書房)共訳「韓国の歴史を知るための66章」(明石書店)「美男<イケメン>ですね フィルムブック」(キネマ旬報社)など。得意分野の本格時代劇を中心に、DVDオフィシャルライターとして「龍の涙」「ケベク」「チャン・オクチョン」「お願い、ママ」など、多数の作品に参加。