Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

中国時代劇から見る、衣装と色の関係:前編|中国時代劇トリビア#1

戦国ものからファンタジーまで、様々な世界観で私たちを楽しませくれる中国歴史ドラマ。中でも、ゴージャスで華やかな衣装の数々は、どのジャンルにおいても目玉となる見所の一つ。制作側も数千万円単位を衣装製作費にかけて取り組むなど、中国のネット上でも話題となっています。今回はその注目の中国時代劇の衣装について、探っていきます!

「王女未央」場面写真1

「王女未央-BIOU-」より ©Croton Entertainment

ここ最近、中国現地サイトには「中国時代劇衣装の日式化(日本風)」や「太日本(とっても日本っぽい!)」といった内容の表現が登場しています。例えばファン・ビンビン主演作「武則天―TheEmpress―」(15年)、チャン・シンユー主演作「思美人」(17年)などでは、女性の衣装が和服の着物風(花嫁衣装風)っぽい!?髪飾りなどが花魁風、日本の簪なの...?と、取り上げられることも。

日本を代表するデザイナー、ワダエミさんが衣装を担当して話題になった「花と将軍~Oh My General~」(17年)では、ション・イールンが着ている白の束帯姿が、日本のドラマ「平清盛」や映画『源氏物語』に登場する人物を彷彿とさせる衣装として紹介されています。確かに、宋代一の風流人(軟弱だけど!)として名を馳せる玉瑾と、源氏の君のイメージがリンクするようで、面白いですよね!

また、この作品の魅力である色彩の艶やかさについて。例えば、朝廷の大臣たちが着る揃いの服が紫色!!中国古来の五行説に通ずる五色の正色「青(藍・緑)赤黄白黒」以外の色を大胆に使うその斬新な色彩感覚が、中国では大いに注目されたようです。

「花と将軍」場面写真

「花と将軍~Oh My General~」より ©上海興格文化傳媒有限公司 ©Shanghai Xingge Culture&Media Co., Ltd

こうした中国時代劇の日本的要素出現の歴史は、1960~70年代にまでさかのぼります。この頃、香港で盛んになった武侠映画では、海外的な要素を積極的に取り入れたそう。日本のチャンバラ映画の影響も強く、言われてみれば日本式かも~?な、日中折衷様式が登場してきます。最近では日本の物語を原作とする歴史ドラマも登場し、2017年には日本の古典「源氏物語」を題材にしたドラマ「源氏問花禄(原題)」が作成されるなど、日本的要素が中国歴史ドラマに登場する傾向はしばらく継続していくのかもしれませんね。

<後編へつづきます>


Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

========
<参考文献>
白帝社 華梅著 「中国服装史―五千年の歴史を検証する―」
株式会社ナツメ社 能澤慧子監修 「世界服飾史のすべてがわかる本」
京都書院 沈従文編著 「中国古代の服飾研究 増補版」

参照URL
「中国人の色の概念 それぞれの色の持つ文化的意味」 張淑倩
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180414233502.pdf?id=ART0008373689
========

<このコラムに登場した作品>
「花と将軍~Oh My General~」




<配信・DVD情報>
Amazon primeで好評配信中!
Amazonprime 「花と将軍~Oh My General~」作品ページ

DVD-BOX1~3 好評発売中!(各18,000円+税)
レンタルDVD vol.1~30 好評レンタル中!

「花と将軍~Oh My General~」日本公式サイト

提供:エスピーオー/BS12 トゥエルビ  発売・販売元:エスピーオー  原題:将軍在上(英題:Oh My General)c上海興格文化傳媒有限公司 cShanghai Xingge Culture&Media Co., Ltd 


「王女未央-BIOU-」


DVD-BOX1~3 好評発売中!(各18,000円+税)
レンタルDVD vol.1~27 好評レンタル中!
「王女未央-BIOU-」日本公式サイト
発売・販売元:エスピーオー|原題:錦繍未央(英題:The Princess Wei Young)c Croton Entertainment





記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP