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7月28日(木)までの上映

三姉妹

「非凡な映画!」とイ・チャンドン監督も絶賛!

家族は崩壊寸前、ギリギリの三姉妹に平穏な明日は訪れるのか?

同じソウルに暮らしながらも、それぞれに問題を抱え、日々の生活に追われて疎遠になりがちな三姉妹が、久しぶりに年老いた父の誕生日会に集まった。その席上で彼女たちは蓋をしていた幼い頃からの心の傷に、真正面から向き合うことになる…。

 近年、『はちどり』『82年生まれ、キム・ジヨン』など韓国の厳格な家父長制度の下で、女性が生きていく生きづらさを描く秀作が次々生まれています。

本作は『オアシス』での体当たり演技が今も語り継がれる名女優ムン・ソリがその脚本に感銘を受け、次女役で主演するとともに、「娘たちの世代が、暴力や嫌悪の時代を越えて、明るく堂々と笑いながら生きていける社会になるように…」との祈りを込めて共同プロデュースを買って出た、超弩級の人間ドラマです。

 共演は、長女役にドラマ「愛の不時着」で北朝鮮の人民班長役を演じ、強い印象を残したキム・ソニョン。三女役には長年トップモデルとして第一線で活躍、2015年の韓国年間ベストの興収を記録した『ベテラン』で映画デビューを果たしミス・ボン役を好演したチャン・ユンジュ。

監督はソニョンの公私にわたるパートナーで、長編第三作となるイ・スンウォン。イ・チャンドン監督がその手腕を激賞する異才です。

——STORY

 韓国・ソウルに暮らす三姉妹。

 長女ヒスク(キム・ソニョン)は別れた夫の借金を返しながら、しがない花屋を営んでいる。一人娘のボミは冴えないパンクバンドに入れあげ、反抗期真っ盛り。元夫からお金をせびられ、娘に疎まれても、“大丈夫なフリ”をして日々をやり過ごす。そんな彼女の体には異変が起きていた…。

 次女ミヨン(ムン・ソリ)は熱心に教会に通い、聖歌隊の指揮者も務める模範的な信徒。大学教授である夫(チョ・ハンチョル)と一男一女に恵まれ、高級マンションにも最近引っ越したばかり。新居祝いのパーティーを開き、“完璧なフリ”をして生活しているが、夫の裏切りによってそんな日常もほころびを見せ始める。

 三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家として絶賛スランプ中。食品卸業の夫(ヒョン・ボンシク)の後妻となり、夫の連れ子である中学生の息子と3人で暮らしているが、自暴自棄となって昼夜問わず酒浸り。たまにミヨンにも泥酔状態で電話をかけている。人の良い夫は必死に彼女をサポートしようとするが、ミオクは“酔っていないフリ”をして息子の保護者面談に乗り込んでしまう。

 普段はそれぞれの生活で精一杯で、ほとんど顔を合わせない三姉妹だが、ミオクがミヨンの教会を突然訪ねてきた。ミヨンは、スナック菓子を片手に牧師様に話しかけるミオクに一瞥もくれず足早に教会の外に出ていく。そんな姉を追いかけるミオクは、「会いたくて来たのに、私が恥ずかしい?」と話しかける。二人が話すのは、長姉ヒスクや実家に残してきた末弟ジンソプのこと。

 ある時は、三姉妹の母親からミヨンに電話があり、どうやらヒスクがお金を無心してきたという。居ても立っても居られなくなったミヨンはヒスクの花屋を初めて訪れ、久しぶりに二人で食事を共にすることに。ミヨンはヒスクに「わたしたちは他人?姉妹は支え合うものよ」と諭すのであった。

 そんな折、父親の誕生日を祝うために三姉妹は久しぶりに帰省し一堂に会することに。牧師様も同席し、誕生日会の祈りが捧げられる時、思いもよらぬ出来事が起きる。三人はそれまで蓋をしていた幼少期の心の傷と向き合うことになる—。

予告編

監督

イ・スンウォン

キャスト

ムン・ソリ
キム・ソニョン
チャン・ユンジュ
チョ・ハンチョル
ヒョン・ボンシク

スタッフ

脚本:イ・スンウォン 
製作:キム・サンス、ムン・ソリ
音楽:パク・キホン
2020年/韓国/韓国語/2.00:1/カラー(一部モノクロ)/5.1ch/115分/原題:세자매
字幕翻訳:中西美絵  
配給:ザジフィルムズ
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物販情報

パンフレット:700円

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