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「小〇」「阿〇」中国の愛称いろいろ|中国時代劇トリビア #92


「夢幻の桃花~三生三世枕上書~ 」©2020 Tencent Penguin Pictures(Shanghai) Co.,Ltd

歴史作品に限らず、中国ドラマの中では親しい間柄の人への呼びかけで、「小〇」「阿〇」という愛称を用いる様子が出てきますね。こうした中国の愛称には、一体どういう法則があるのでしょうか?

まずポピュラーなところでは、姓の前に「小」もしくは「老」をつける呼び方。日本語でいうところの「〇〇さん」にあたる呼び方で、このパターンでは、自分から見て相手が年下なら「小〇」、年上の方、尊敬する立場の方に対しては「老〇」とするようです。

とはいえ、必ず年齢で決まる!というものではなく、あるグループの中で若い人が「小」、年上の人が「老」になる場合もありますし、年齢的に上の方であっても、仲間たちが「小〇」と呼んでいれば、「老〇」とはならない場合もあるとか。

また、姓ではなく名前の一文字をとって、その前に「小」や「阿」をつけることあり、名前の前(もしくは名前の一番最後の文字)などに「阿」をつけるのは広東や福建など南部に特有の呼び方だそうです。このパターンは日本語でいうところの「〇〇ちゃん」のようなニュアンスで、南方が「阿」であるのに対し、北の方では名前の一部を繰り返す(「蕾蕾」や「紅紅」など)などが使われるのが一般的なようです。

こうした愛称がいろいろあるものの、親しい同僚や同級生・友人・家族などの関係で一般的な名前の呼び方はというと、実はフルネームで呼び合うケースがかなり多いのだとか。そういえば、現代ドラマ、特に学園ものでは男女問わず、相手をフルネームで呼んでいる場面が確かに多いですよね!

日本人には逆にかしこまって聞こえてしまうフルネーム呼びですが、これは、中国人の方が名前を姓と名で一つのセットと考えて、名づける際にも、全体の響きを重視して決めるからで、フルネームで呼んでこそ、その美しさが際立つからなのだそうです。

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

このコラムに登場した作品

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