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【インタビュー】『親愛なる君へ』チェン・ヨウジエ監督 前編"きっかけは、愛する権利を守る人々"

たった48時間でモー・ズーイーがしてきたこと

― モー・ズーイーさんとのやりとりで印象的だったことはありますか?

チェン監督 僕が彼に脚本を渡した翌々日、彼が脚本について話し合いたいと言いミーティングしました。その時、すでに彼は脚本に書かれたシーンを全て時系列通りに並べ替え、このキャラクターの生まれた時点から今に至るまでのすべてのストーリーを考えていました。脚本を渡してたった48時間後に、もう全ての準備が整っていたんです。

実は脚本の段階では今よりずっと時系列が複雑だったのですが、助監督がたまげたほど、彼は正確に整理していました。それもたった48時間で。僕も俳優をやるのでわかりますが、この作業は早くても1週間かかります。それが凄く印象深かったです。


― それは凄いですね…!  撮影現場でも、モー・ズーイーさんのそのストイックさを感じるエピソードはありますか?

チェン監督 たくさんありますよ。例えば、彼はピアノが弾けなかったのですが、この作品の為にピアノの練習をしたんです。「手の代役を用意しようか?」と言っても、絶対彼は断るんです。「絶対自分で弾かなくちゃいけない」って。

ただ、オリジナル曲なので練習時間がほとんどなく、ぞれでも絶対自分でやらなくちゃいけない。しかもただの練習ではなく、ピアノを弾けない人がピアノの先生になるまでの練習ですからね。

でも……彼がピアノを弾く手元のクローズアップはほとんど削っちゃった(笑)。涙を流すシーンをいくら削っても全然怒らなかったのに、ピアノを弾くシーンは「こんなに一生懸命練習したのに!!」って言ってました(笑)。

― あはは! 確かにそれは少し可哀想です(笑)。

後編:映画は信じ合わないと成り立たない に続きます



『親愛なる君へ』
7月23日(金・祝) シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開

君が生きていてくれたら… 僕はただ、大好きな君を守りたかった ──

老婦・シウユーの介護と、その孫のヨウユーの面倒をひとりで見る青年・ジエンイー。血のつながりもなく、ただの間借り人のはずのジエンイーがそこまで尽くすのは、ふたりが今は亡き同性パートナーの家族だからだ。彼が暮らした家で生活し、彼が愛した家族を愛することが、ジエンイーにとって彼を想い続け、自分の人生の中で彼が生き続ける唯一の方法であり、彼への何よりの弔いになると感じていたからだ。しかしある日、シウユーが急死してしまう。病気の療養中だったとはいえ、その死因を巡り、ジエンイーは周囲から不審の目で見られるようになる。警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには裁判にかけられてしまう。だが弁解は一切せずに、なすがままに罪を受け入れようとするジエンイー。それはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことだった…

監督/脚本:チェン・ヨウジエ
監修:ヤン・ヤーチェ(楊雅喆)
出演:モー・ズーイー、ヤオ・チュエンヤオ(姚淳耀)、チェン・シューファン、バイ・ルンイン(白潤音)

2020年/台湾/カラー/106分/シネマスコープ/5.1ch
原題:親愛的房客
配給:エスピーオー、フィルモット
© 2020 FiLMOSA Production All rights
公式Twitter:@filmott



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