とにかく面白い。
レンタルビデオのない子供時代。TVのオンエアーを心待ちにしていた。
厳密にはハマーフィルム(製作会社名)と判っていなかったが、題名から匂いを感じ取っていたのだと思う。
吸血鬼、人造人間、怪人、蛇女、魔獣etc.幻想怪奇、空想科学、冒険活劇(横文字ではない!)を直截に伝える邦題。
ワクワクしながら、夢中になって見ていた。
ハマーフィルムと認識したのは、確か故・淀川長治さんの解説だった。低予算で殆ど同じセット(尚且つ、使い回し)、ごく短期間で撮影されていたとの事など・・・。
現在の驚異的なCGやVFXとの比較は技術的にも製作費的にも困難だが、低予算に関わらず、趣向を凝らしたセットや美術、メイクは手作りの職人技を満喫させてくれた。
それに、何と言っても決め手は、クリストファー・リー、ピーター・カッシング。この輝ける2大スターはハマーホラーの代名詞だった。ダンディーで、縁日の見せ物小屋的ないかがわしさを匂わせるものも、2人が出てくるとまるでシェークスピア劇の様に格調高く、その存在感は格別だった。
加えて、女優が美しい!怪物に狙われたり、恐怖に戦くのは、妖しげで艶やかな美女でなければいけない。あのヒッチコック監督(美人好み!)の名作「レベッカ」のジョーン・フォンティーンの主演作もある!
優れたハマーホラー作品が生まれた背景として、英国には数多くのゴシックロマンやミステリ(小説)などの源流、土壌があり、当然の結果とも思える。
ハリウッド製とは、一味違うサービス精神に富んだ良質なエンタテインメント、ハマーホラー。
充実していた時代の娯楽作品群は、見る者を幸せな気持ちにさせる映画と言える。

