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はじまりは『三国志 Three Kingdoms』

 全95話、総製作費25億円の超大作ドラマ「三国志 Three Kingdoms」から3年。「三国志」ドラマの決定版とも言うべき「三国志 Three Kingdoms」とは、まったく異なる視点を持った新機軸の「三国志」ドラマが誕生した。数えきれないほどの英雄英傑の中から、魏王・曹操にスポットを当てた「曹操」である。
かつて、曹操は「三国志演義」の影響で悪役として描かれることがほとんどだった。しかし、近現代においては、吉川英治の小説「三国志」やドラマ「三国志 Three Kingdoms」では前半の主役として扱われ、李學仁原案、王欣太作画の漫画『蒼天航路』では全編を通じての主人公として描かれた。曹操は、三国時代を制した合理的な政治家として、また優れた文人、詩人として再評価されてきているのだ。
これまでの「三国志」ドラマでは、袁紹や劉備といった天下を争うライバルたちとの対立関係は描かれても、そこに至るまでの紆余曲折はあまり描かれてこなかったが、ドラマ「曹操」は、盟友が敵となる瞬間、そしてその裏にある感情の移り変わりまで、細やかにすくいあげていく。それは、チョウ・ユンファ主演の映画「孔子の教え」で、孔子を神格化された存在ではなく生身の人間として描いてみせた女性監督、フー・メイの繊細かつ緻密な演出手腕によるところが大きいだろう。
ドラマ「曹操」は、少年時代から官渡の戦いまで、波瀾万丈でありながら、破竹の勢いで権力者の座に登り詰めて行った曹操の半生を、これまでにないほど深く掘り下げ、克明に描いた作品なのである。