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同時代を描いたドラマたち

この連載では、「師任堂(サイムダン)、色の日記」で描かれる朝鮮時代、特に1500年頃~1600年頃を描いた韓国時代劇をご紹介。

「師任堂(サイムダン)、色の日記」放送前の予習としてご覧いただくのもよいかもしれません。時代の雰囲気などを知れる良い機会になると思います。

第1回は言わずとしれたこの作品。実は、主演女優のイ・ヨンエだけでなく、描かれた時代や王まで「師任堂(サイムダン)、色の日記」とリンクしているのです。

「宮廷女官チャングムの誓い」

MBC/月火/2003.9.15~2004.3.23(全54話)
演出:イ・ビョンフン
脚本:キム・ヨンヒョン
視聴率:平均46.4% 最高57.8%

●キャスト
イ・ヨンエ(ソ・ジャングム=チャングム)
チ・ジニ(ミン・ジョンホ=チョンホ)
ホン・リナ(チェ・グミョン=クミョン)
ヤン・ミギョン(ハン尚宮)
キョン・ミリ(チェ尚宮)
イム・ホ(中宗)
イム・ヒョンシク(カン・ドック)
クム・ボラ(トックの妻)
ヨ・ウンゲ(チョン最高尚宮)
キム・ヘソン(パク・ミョンイ)


●解説とあらすじ
韓国で57%の最高視聴率を記録し、
演出家イ・ビョンフンの名を世界に知らしめた韓流時代劇の金字塔。

『朝鮮王朝実録』の「中宗実録」に登場する、
女性でありながら王の信頼厚い主治医となった
「大長今」(テジャングム)の人生を、
史実と創作を巧みに織り合わせてサクセス・ストーリーとして描き出した。

16世紀初頭の宮廷が舞台。

第10代王・燕山君の時代に宮廷内の争いに巻き込まれ、武官だった父と宮廷料理人だった母を亡くした少女チャングムは、宮中に出入りするカン・ドックに拾われる。

やがて、燕山君を失脚させるクーデター(中宗反正)に我知らず貢献したチャングムは、
新王となった中宗から宮中入りを許され、10歳で宮中の食事を司る水剌間の女官見習いとなり、さまざまな出来事に立ち向かっていく。

≪「師任堂(サイムダン)、光の日記」との関連コラム≫

主人公チャングムを演じたイ・ヨンエは
本作で韓国を代表するトップ女優へと上り詰めます。
「師任堂(サイムダン)、色の日記」は13年ぶりのカムバックとなりました。

物語の冒頭、チャングムの両親が殺されてしまう理由は、実母が廃位され毒殺された第10代王・燕山君が、その恨みから「関係する者を全員処刑せよ」と命じたため。

チャングムの両親は人里離れて身を潜めていたのですが、無邪気なチャングムの一言が彼らを死に追いやる
きっかけとなってしまったからです。

後に燕山君の腹違いの弟・中宗を擁立したクーデターにより、燕山君は配流。

中宗は燕山君に排除された文官らを復位させますが、彼らの急進的な勢いに次第に難色を示すようになり、1519年、趙光祖ら多くの臣下を失脚・粛清します(巳卯士禍)。

なお、この時、申師任堂の父は官職をしていなかったおかげで命拾いしたと伝えられています。

文・キネマ旬報社
『韓国テレビドラマコレクション2017』『韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史2017年版』
※視聴率「ニールセンコリア」提供(全国基準)

「宮廷女官チャングムの誓い」©2003-2004 MBC

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