Cinem@rt アジアをもっと好きになる

ドラマをより深く!
深堀キャスト解説

「師任堂(サイムダン)、色の日記」といえば、主演のイ・ヨンエさん、ソン・スンホンさんの印象が強いですが、その他のキャストもかなりの実力派揃い!

このコラムでは、新星からベテランまで、「師任堂(サイムダン)、色の日記」に出演する俳優達を深堀していきます。

キム・ジョンヒ|キム・ヘスク

ジユンの姑ジョンヒ役として、現代の女性が対峙するある種の"障壁"を表現しているのが、ベテラン女優キム・ヘスクです。

本作では、朝鮮王朝時代でも9代王・成宗の側室でギョムと対立する貴人ナム氏を演じ、気品の裏に思惑を隠すミステリアスな存在感を光らせています。


キム・ヘスクといえば、"韓国のお母さん"を象徴する女優であり、「秋の童話」ではソン・ヘギョ演じるヒロインの実母を、「冬のソナタ」ではチェ・ジウ扮するヒロインの母親役を演じるなど、ユン・ソクホ監督の四季シリーズ全作で主人公の母(もしくは養母)役を担っています。それほど"信頼される"女優なのでしょう。

母親役といっても幅広く、貧しい境遇に生きる肝っ玉母ちゃんから、富裕層のマダム、我が子を溺愛する母親から、血の繋がらない子にも深い愛情を注ぐ慈悲深い母親役まで、役どころは多様。

近年も、「ホテルキング」で演じた別名"白髪の魔女"と呼ばれる鬼のホテル教育係役や、「ピノキオ」の、息子の前では少女のような母親でありながら裏では悪事を働く財閥会長役など、強烈なキャラクターで"怪演"を見せています。

脇役だけではありません。「師任堂(サイムダン)、色の日記」と同じスタッフが作り上げた「アンニョン!コ・ボンシルさん」では、純粋なアジュンマヒロインに扮し、温かな人柄が滲み出るような演技で観る者を感動に包み込むのです。
いやはや名優!

「アンニョン!コ・ボンシルさん」より。

時代劇でも、「女人天下」「ホジュン~宮廷医官への道~」でカリスマ性溢れる名演を見せており、本作でも現代と過去双方のエピソードで主人公たちにどう絡んでくるか、その役どころから目が離せません!


「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight
「アンニョン!コ・ボンシルさん」©2012 Go Mrs. Go by Group Eight


Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。