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コラム
鑑賞コラム

BSフジにて放送中の「師任堂(サイムダン)、色の日記」。
この放送に併せ、鑑賞コラムを掲載!
ライター高橋尚子さんが、より深く・より楽しく「師任堂~」を味わうためのポイントを、毎話放送後にお届けしていきます。

※コラムはその日放送された回の内容に触れています。まだご覧になっていない方はご留意ください。
※話数は、BSフジ放送版(全44話)です。


Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。

第34話<BSフジ放送版>

世子を案内して、「揚柳紙所」に立ち寄ることになるギョム。
そんなギョムに、「いつも突然おこしになりますね」と、サイムダンは相変わらずツンな態度です。
さらに、「都に戻ったと聞きました」なんて、

実はギョムのことを気になっていた本音がちらり。

現代のジユンは、素直に気持ちを伝えることの大切さに気付いたというのに!


そんななか、ギョムはサイムダンが真っ赤に塗りつぶした1枚の絵を目にします。
その絵を見た瞬間、なにかを察するギョム。

「何があった? 何がそなたを苦しめている?」

と、心のなかで彼女に問いかけるギョムですが、その絵が彼女の苦しみを表していることを、ひと目で感じ取るあたりは、さすが。
2年のブランクもなんのその。2人の魂が結びついている証でしょう。

そして、この回、印象的だったのは、不倫中のダメ亭主ウォンスのサイムダンに対する気持ちと、ギョムのサイムダンに対する気持ちの、対照的な様でした。

まず、箸にも棒にもかからないほど甲斐性なしの男ウォンス。
彼は、自分とは異なり、非の打ち所がないほど「完璧な妻」サイムダンにこう言います。

「お前は教官のような妻だった。お前の前で俺はいつも萎縮していた。窮屈だったのだ」と。

さらに、「1人の男として愛していたか」と問うウォンスに、サイムダンは言葉が詰まり、ようやく出てきたのが「父親として尊敬していた」という言葉です。なんと正直な。
男としては、まったく嬉しくない言葉かもしれません。でも、仕方ない。

ウォンスや、お前が悪い!

一方、ギョムは、ウォンスの浮気相手が売りに出したサイムダンの絵をすべて買い取り、それらをサイムダンのもとに黙って返しておりました。

(かっくいい!!!!!!ウォンスや、こういうことよ!)


そして、サイムダンに宛てたギョムの手紙がしびれるほど素敵でした。

「絵を戻したと知ったら、放っておいてくれと、また叱られそうだ。
そなたの怒る姿が、私は世の中で一番怖い。
元の場所に戻しただけだ、気にするな。

それでも負い目が消えぬなら、良き友の心遣いだと考えてほしい。
あたたかい春の気配が漂い始めた。

そなたの絵にも一輪の花が咲くことを願い、シャクヤクを一輪置いていく」

くぅ!!!!

「そなたの怒る姿がこの世で一番怖い」と怯えながら(でも、怯え方がウォンスのそれとは違うのよねぇ)、「シャクヤクを一輪置いていく」ですよ!!!

「シャクヤクを一輪、置いていく」!!!

そして、彼女の苦しい胸のうちが詰まった真っ赤なあの絵に、真っ白な「シャクヤクを一輪」描いて置いていくのです。
かっこよすぎて、書いているだけで興奮してきたわ!

ギョムが残した絵の中のシャクヤクを目にし、こらえていた悲しみが堰を切ったように溢れ出し、さめざめと泣くサイムダンがまたよくて。
しつこいですが、繰り返します。

どうだ、ウォンスよ、サイムダンに必要な愛はこれだ!これなのだ!!!!

やはり魂には、合う合わないがあるのだなぁと、同じようにサイムダンの怒る姿を怖れながら、違った行動に出る2人の男を見て、ひしと感じます。
きわめつけは、ギョムが置いていった一輪のシャクヤクに、飛んできた一羽の蝶を描き足していくサイムダンの柔らかな表情でしょう。

そんななか、チヒョンが復職。


あぁもう、やめて~っ!!!!!


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<放送情報>
●BSフジ 放送中! 
毎週(月)~(金) 14:59~16:00 
【公式サイト】

●LaLaTV 8/21(月)~
毎週(月)~(金) 13:30~
【公式サイト】

<DVD情報>
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