呉清源 極みの棋譜

イントロダクション&ストーリー

『呉清源 極みの棋譜』

庭でにこやかに歓談する老人の姿。この老人こそが昭和最強の囲碁の棋士と謳われる呉清源(ごせいげん)である。川端康成、谷崎潤一郎、坂口安吾といった時代のオピニオンリーダーである文人たちも一目を置いていた昭和という時代の寵児であった呉清源。幼い頃に生まれ育った中国で囲碁の手ほどきを受け、当時、囲碁が最も盛んだった日本へと渡ってきた彼の人生は、中国、日本という国が戦争に翻弄された時代背景と重なるように、碁盤だけを見つめながらも、数奇な運命を辿っていくことになる。この作品が描くのはそんな呉清源の半生である。


『呉清源 極みの棋譜』

囲碁界に大きな革命を起こした「新布石」の提唱、当時のトップ棋士をことごとく打ち破り、トップへと上り詰めていく様、日本と中国の戦争、日本人でありながらも中国人でもあるというアイデンティティの揺れ、そうした部分から立ち現れてくる苦悩・・・・。あまりにもドラマティックだから、よりドラマティックに描けるはずの物語なのに、この作品ではそのドラマ性を徹底的というくらいに排除している。ただ、その排除ゆえに深い余韻も生まれている。

そうした部分が生み出されたのは中国映画界を代表する映画監督である田壮壮がメガホンを取ったからだろう。世界中が絶賛した『青い凧』、そして『春の惑い』以来、4年ぶりとなるこの作品では、元々、田監督が持っていた青みががった映像の美しさはもちろん、抽象性やドラマ性の排除に拍車がかかっているのだ。でも、それはドラマがなくなっているわけではない。逆に瞬間、瞬間、シーン、シーンから生み出され、感じ取れるドラマが満載されているのだ。

『呉清源 極みの棋譜』

主演は惜しくも亡くなったエドワード・ヤン監督作品で鮮烈な印象と共に登場し、今やアジアを代表する俳優となったチャン・チェン。若き日の呉清源に瓜二つと絶賛されたルックス、言葉ではなく、動作で感じさせる演技はこの作品の大きな見所のひとつだろう。共演はアン・リー監督の作品などに出演している中華圏を代表する女優 シルビア・チャン、日本から柄本明、仁科貴、松坂慶子、大森南朋、井上堯之、野村宏伸、伊藤歩、南果歩という豪華な面々。衣装とプロダクション・デザインはアカデミー賞も受賞しているワダエミが担当している。


今もなお、小田原の自宅で囲碁の研究に取り組んでいる呉清源。昭和という時代が生んだ寵児でありながらも、その昭和という時代に翻弄される中、自分の信念を持ち生きてきた人物の生き様を感じ取ってもらいたい。

『呉清源 極みの棋譜』は11月17日より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、シネマート心斎橋ほか全国ロードショー。





キャスト・スタッフ

監督:
田荘荘
衣裳デザイン&プロダクション・デザイン:
ワダエミ
出演:
チャン・チェン/柄本明/松坂慶子/伊藤歩

(C)2006,Century Hero, Yeoman Bulky Co

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