恋する日曜日 私。恋した

イントロダクション&ストーリー

病院の廊下の長椅子に腰掛ける女子高生のなぎさ。彼女は亡くなった母親と同じ病魔に犯され、余命を宣告されていた。彼女からの問いかけに無言で頷くしかない父親。人生で最後になるかもしれない夏に、彼女は父親には内緒で、かって暮らしていた町へと向かう。そこには彼女の大きな想いが秘められていた。

余命を宣告されているなぎさが向かった先は彼女の幼馴染 石川聡が暮らしていた家だった。誰もいない家の前でひとり待っていると現れたのは軽トラックに乗る聡。家族は別の家に引越し、聡はここにひとり、廃品回収を営みながら暮らしているのだった。聡に恋心を抱いているなぎさは、そこに泊めてもらうことにするが、実は聡には人妻の恋人がいた。

コラム・見どころ

2003年に放映開始されたドラマ・シリーズ「恋する日曜日」。映画やTVで活躍する第一線の監督、若手を中心とした実力派俳優たちにより、80年代、90年代の隠れた名曲、文學の唄、アニメソングをタイトルやテーマとし、1話完結で綴られたこの恋愛ドラマ・シリーズは多くのファンと高い評価を獲得している。その人気を表すように、このシリーズからはこの作品を含め、『さよならみどりちゃん』『恋する日曜日』という映画のみのオリジナル作品も生まれている(現在、TVシリーズは第3シーズンが放映中)。

このシリーズには恋愛ドラマとしての瑞々しさや淡さ、出演する役者、第一線で活躍する監督たち、テーマとなる音楽など、魅力的な要素が散りばめられている。純粋に恋愛ドラマとして、好きな監督や役者から、そのタイトルからと楽しむことが出来るのだ。例えば、この作品なら主演の女子高生を演じる堀北真希、監督の廣木隆一、難病と淡い初恋というテーマにひきつけられる方が多いだろう。作品はそうした期待を裏切らないものに出来上がっている。

子供の頃のように、その頃とは違う気持ちを抱きながら聡とふたりきりで過ごせる喜びが大きく変わる瞬間、先の知れた人生、そこを超えて一生懸命に生きていこうという気持ち。手料理をしたり、子供のように悪ふざけをしたり、盗んだ自転車で全力疾走したり、相手の大人の女性と話し合いをしたり・・・・、多感な10代の女の子の姿がここには切り取られている。特にエンディングのシーンには多くの方が胸を打たれるだろう。

出演は主演の堀北真希のほか、窪塚俊介、高岡早紀、吹越満など。この作品で印象的に使用される楽曲はアジア各国で愛されている喜納昌吉&チャンプルーズの名曲「花〜すべての人の心に花を」である。

廣木隆一監督らしい長回しの映像が生み出す印象的なシーン、誰もが抱えたことがあるであろう純粋な気持ち(対照的に高岡早紀演じる人妻の現実を経験することで生まれてくる気持ち)。こうした瞬間、瞬間が響いてくる「恋する日曜日」というシリーズタイトルがピタリとくる、淡く、端々い恋愛映画の小品だ。

キャスト・スタッフ

出演:
堀北真希/窪塚俊介/高岡早紀/岩本千波/若松武史/吹越満
監督:
廣木隆一
プロデューサー:
丹羽多聞アンドリウ
脚本:
渡辺千穂
主題歌:
喜納昌吉/『花~すべての人の心に花を』
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