モンゴリアン・ピンポン

イントロダクション&ストーリー

内モンゴルの雄大な自然の中で家族と共に暮らす少年ビリグは同じ年頃の少年ダワー、エルグォートゥといつも一緒に遊んでいる。ある日、ビリグは川に水汲みに行った際に、今までに見たことのない不思議なものを見つける。それはピンポンの球。でも、ピンポンというものの存在すら知らないビリグたちにとっては、全くもって不思議なものでしかない。何だろうかと舐めたり、噛んだりしても、父や母に聞いても分からない。そんな時、ビリグのおばあちゃんが、それは川上から来た神様のものだと断言する。

ビリグのおばあちゃんの一言により、普通のピンポン球は神様の精霊である「光る真珠」となってしまう。夜、ビリグたちは「光る真珠」が光るのを確かめようとするが、それはピンポン球だから光ることなどない。でも、月にかざしてみるとそれは確かに光ったような気がする。そんな「光る真珠」の噂は仲間内に広がり、「見せろ」「見せない」で喧嘩まで起きてしまう。ただ、神様の精霊であるはずの「光る真珠」のことは神様に仕えているはずのお坊さんたちも知らない。そんなある日、「光る真珠」に関する真実、ピンポン球だということが明らかになる。

のん兵衛の父親のビールを盗んだり、行商人の車にパチンコで石をぶつけたり、時には親に怒られながらも、内モンゴルの広大な自然の中で天真爛漫に遊び続ける少年たち。そんな少年たちが「光る真珠」と呼ばれることになるピンポン球を手に入れることで始まる冒険をこの作品は描いていく。大人や知っている人からすれば大したことでもないのに、知らないからこそ“宝物”となってしまう、あの頃の気持ちがこの作品を観ると確実に蘇ってくる。そして、その“宝物”が生み出す、意気込みに満ちた大きな勘違いともいうべき物語がとんでもなく素晴らしいのだ。

コラム・見どころ

この作品を監督したのは、2006年に中国国内で最もヒットした作品ひとつである『瘋狂的石頭(クレイジー・ストーン)』(原題)の監督であるニン・ハオ。『クレイジー・ストーン』の大ヒットにより、今後、ハリウッドへの進出が最も期待されている中国語圏出身の映画監督となっている。この『モンゴリアン・ピンポン』はその前作に当たる、監督にとって長編第3作目となる作品であり、世界中で高い評価を獲得している。ちなみに、この作品をモンゴルを舞台に撮ろうと思ったのは、そこにある特有の文化と生活に深く魅了されたからだという。

家族が天安門の前で記念撮影をしているシーンから始まる導入部、広大なモンゴルだから生まれたであろう映像、固定カメラでの長まわしを主体とした的確な映像センス、素朴なモンゴルの人たちの生活、そしてオフビート感覚的なコミカルさ、スリリングな物語展開など、映像的にも、物語的にも映画ファンを満足させること間違いなしの作品だ。

キャスト・スタッフ

出演:
フルツァビリゲ/ダワー/ゲリバン/バデマ/ユーデンノリブ
監督:
ニン・ハオ
撮影:
ドゥ・ジエ
脚本:
シウ・エナ/ガオ・ジェングオ/ニン・ハオ
  • コメント

一覧へ戻る