インディアン・サマー

イントロダクション&ストーリー

クラブで客を相手に取っ組み合いの喧嘩をし、警察で事情聴取を受けるソ・ジュナ。将来を嘱望された優秀な若手弁護士である彼は人一倍強い正義感を持っている。その結果があの殴りこみのような喧嘩だった。ある日、彼は国選弁護人として、夫殺しの容疑で死刑を求刑されている女性イ・シニョンの弁護を引き受ける。しかし、彼女は弁護は必要ないと彼との接見を拒否する。

作品の冒頭で相手に襲い掛かるのも、事務所の大口のクライアントを足蹴にするのも、全く金にもならない暴走族の弁護を引き受けるのも、ソ・ジュナという弁護士の持っている正義感ゆえのこと。自分のキャリアと金のために働くことが当たり前にもなっている弁護士の世界で、彼は古臭く、珍しいタイプでもある。ただ、そのことが煙たがれているわけではなく、才能は大きく評価され、アメリカの大学への研修留学もほぼ決定するなど、将来の道も確約されている。でも、その計画自体がイ・シニョンの弁護を引き受けることで狂っていく。

拘置所では接見拒否、法廷では「この裁判は終わりにしてください」とだけ訴え、病院では自殺をしようとする死刑を求刑されているイ・シニョンという被告にソ・ジュナは自然と引き寄せられていく。その理由は「黙っていても死が待っているのに、なぜそこまで早く死のうとするのか」、「なぜ、語ろうとしないのか」、そして彼女の持つ凛とした美しさ、表情である。そこが彼の弁護士としての責務、正義感、最終的に人間としての彼に反応していく。結果的に彼は犯行現場のビデオを繰り返し見て、現場に足を運び、関係者に当たり、資料を洗い出し、事件に対するある疑問点を見つけ出していく。彼女の拒絶を顧ず、何度となく熱い弁護をする彼の熱意に彼女も心を動かされ、そこに生きる希望を少しずつ見つけて出していく。そして結審の日がやって来る。

コラム・見どころ

主演のソ・ジュナを演じるのはドラマ「パリの恋人」で多くのファンを獲得しているパク・シニャン、イ・シニョンを演じるのは『純愛中毒』『タイフーン』のイ・ミヨン。監督はこの作品がデビュー作になる、多くの作品で脚本家として活躍してきたノ・ヒョンジョン。作品はソウルで30万人を動員するヒットを記録している。

この作品の前半はひとりの正義感に満ちた弁護士が死刑が決定付けられた事件を覆していくという法廷ミステリ・ドラマ的展開、後半は弁護士と夫殺しの罪を背負っている被告の女性との愛、障害を抱えたラブ・ストーリー的展開を持っている。ふたりがお互いを意識していく様子を前半部分、後半は禁断ではないが、障害を抱えた愛を描いていくのだ。例えば、ここで障害となるのは女性が抱く罪の意識、弁護士にとってはキャリアである。生きたいという希望を再び手にした、罪を問われている女性、この女性と人生を共にしたいと願った弁護士は大きなラインを飛び越えようとする。もちろん、そこには事件が絡み、ミステリー的真相も明らかになるが、そういった部分ではなく、タイトルの『インディアン・サマー』の通り、厳しさの中に束の間やって来る至福の瞬間、ふたりの不器用ともいうべき愛が胸を捉え、美しい余韻を生んでいく作品だ。

キャスト・スタッフ

出演:
パク・シニャン/ハン・ミョング/イ・ミヨン/チャン・ヨン
監督:
ノ・ヒョジョン
脚本:
イム・サンス/ノ・ヒョジョン/キム・ジヘ
撮影:
キム・ユンス
音楽:
ミヒャエル・スタウダッハー
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