ラッキーナンバー7

イントロダクション&ストーリー

駐車場でひとりの黒人が射殺され、その後、ボディガードと共に厳重に警備された部屋にいる男も殺される。男が座るデスクの上には血の付いた帳簿。それは暗殺者により持ち去られる。

空港の待合室に疲れた表情で座る若い男に「There was a time.」と話しかける車椅子に乗った初老の男。男が話し始めたのは、競馬の闇情報を仕入れ、そこに大金をつぎ込み、自らだけではなく、家族も失った男の物語。その話を聞いた後、若い男は初老の男により殺される。

その頃、失業をした日に、自分の部屋に戻るとシロアリが発生していたため、彼女の部屋へと向かったところ、男との浮気現場を目撃してしまったスレヴンという名の青年はこのどうしようもない状況を抜け出すため、友人の暮らすニューヨークへと向かい、ニューヨークの洗礼を受けながらも何とか部屋にたどり着く。でも、部屋の主である知人はいない。そのことから、彼はとんだ騒動へと巻き込まれていく。それは金と殺人に関わる、見ず知らずの出来事だった。

コラム・見どころ

知人の部屋に転がり込むが、その知人がどこかに消えており、その知人が関与しているであろう事件に知人だと誤解されて巻き込まれていく。このパターンはミステリー小説、映画などではお決まりのパターンであり、映画ではスリラー映画の巨匠であるアルフレッド・ヒッチコックが得意としているものでもある(この作品中にもヒッチコックの『北北西に進路を取れ』みたいだろうというコメントが出てくる)。スレヴンは訳も分からない黒人と闇呑み屋の殺人犯と断定され(それも知人のせいなのだが)、その元締めであるボスに金の代償として暗殺を依頼される。暗殺する相手は向かい側のビルに拠点を構える、昔は一枚岩だったが今は対立しているボスのひとり息子。その対立するボスにスレヴンを脅すボスは愛する息子を殺されたのだ。職を失くし、文無しのスレヴンはその要求を呑まざる得ない。でも、今度は相手側のボスからも「貸した金をとっとと返さないと殺すぞ!」と脅されることになる(もちろん、知人の残した借金だ)。

自分の知人が起こしたであろう訳の分からないことで脅され(しかも自分は知人と誤解されているのだ)、皆目見当の付かない状況の中へと必然的に落ちていくこの作品、前半の“巻き込まれ系”の部分はコミカルなノリを持ちながら、センスの良い音楽と一体となり、進んでいく。両方のボスの事務所、間借り人となっている状態の知人の部屋の3箇所で繰り広げられる寸劇のようなコミカルさが繋がっていく展開はとにかく面白い。でも、物語がどこに着地するのかは全く見えてこない。大体、どこかに行ってしまった知人は見つかる気配すらない。でも、それが後半、予想通りにグイッと180度捩れるのだ。どう捩れるかはもちろん、劇場で確かめて欲しい。

出演は主人公のスレヴンにジョシュ・ハートネット、対立するギャングの親分役にモーガン・フリーマンとベン・キングズレー。その他、ブルース・ウイルス、ルーシー・リュー、スタンリー・トゥッチなどハリウッドを代表する豪華な面々。彼ら出演者はこの作品に出演した理由を何よりも“脚本の面白さ”だと語っている。その脚本を手がけたのはTVシリーズで注目を浴び、この作品が映画脚本デビューとなる新鋭ジェイソン・スマイロヴィック。監督は『アシッド・ハウス』『ギャングスター・ナンバー1』のポール・マクギガン。この作品では彼らしい“ユーモア”“遊び”の感覚が上手く作用している。

先が読めない中、「ああでもない、こうでもない」と想像しながら、180度転換する物語。こういった作品のお約束だろうが、この“捩れ”が着地していく部分にどれだけのカタルシスを感じることが出来るかが、最終的な作品の面白みへと繋がってくる。そこの部分は作品を観て、判断してもらいたいと思う。ただ、そういったカタルシスだけではなく、前半の寸劇的なコミカルさにもより大きな魅力を感じるはずだ。この辺のスピード感ある言葉の展開と演出に脚本と監督のセンスが存分に発揮されていると思う。ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウイルス、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレー、ルーシー・リューなどの役者の良さも光っているので、そういった部分も含め、楽しんでいただければと思う。

キャスト・スタッフ

出演:
ジョシュ・ハートネット/モーガン・フリーマン/ベン・キングズレー/ルーシー・リュー/スタンリー・トゥッチ/ブルース・ウィリス/ピーター・アウターブリッジ
監督:
ポール・マクギガン
脚本:
ジェイソン・スマイロヴィック
撮影:
ピーター・ソーヴァ
音楽:
ジョシュア・ラルフ
  • コメント

関連ページ

関連サイト

関連タグ

ユーザーレビュー

ユーザーレビューを投稿する

一覧へ戻る