Sad Movie サッド・ムービー

イントロダクション&ストーリー

ある日、ジュヨンは息子のフィチャンの件で学校へと呼び出される。忙しい仕事の合間に学校へとやってきた彼女は教師からの指摘もそっちのけでお金を渡し、その場を後にしようとする。フィンチャンは自分のために時間を割いてくれない母親に不満を持ち、それが日記などに現れているのだ。ある日、通勤途中に彼女は交通事故を起こし、入院する。優秀な消防士であるジヌには長い間付き合っている手話通訳アナウンサーのスジョンがいる。ジヌからのプロポーズを待ちわびるスジョンだが、彼の返事はきっぱりとしていない。ある日、ジヌはスジョンへのプロポーズを決めるが、その大切な日に婚約指輪をなくしてしまう。ジヌの妹スウンは聴覚障害者である。遊園地で着ぐるみを着るアルバイトをしている彼女はここで似顔絵描きをしているサンギュという青年にひと目惚れし、着ぐるみを着たままサンギュに近づいていく。ボクシングのスパーリングパートナーなどをしながら、その日のお金を稼ぐ、無職のハソク。スーパーのレジでパートタイムの仕事をする彼女のスッキョンもそんな彼に愛想を尽かし始めている。ある日、街中で女性に声をかけられ、電話の相手に別れを伝え、お金を手にしたハソクは別れのメッセージを代理として伝える“別れさせ屋”という職業をネット上で開始する。

コラム・見どころ

4組のカップルが織り成す様々な別れのスタイルを描いた、自分の大切な人の存在を再確認する感動作。

作品が描くのは8人、4組のカップルの愛情という関係の行方である。そのうち3組は恋人(以上、以前)であり、残りは母と子という親子である。3組のカップルもこれから結婚というもの、すでに終わりが見え始めているもの、そしてこれから愛が始まるかもしれないものという全く違った状況に置かれている。それぞれが、それぞれに自分たちの行く末を考えながら、壊れかけていた関係性を修復しつつも結局は別れへと向かっていく状況がここには描かれていく。

映画のオープニングは、愛していると書かれた壁の落書き、どこかに放置された自転車、カレンダーの日付につけられた丸印、そして誰かと観た劇場の映画など失ってしまった思い出のような写真がスライド形式で映し出されていく。それは忘れてしまいたいか、心の中にずっと残しておきたいかは分からないが、終わってしまった愛の形跡である。4組のカップルそれぞれの物語も、この思い出の写真のような軌跡をたどっていく。

事故で入院した母親はその検査で想像してもいなかった事実を告げられたことから息子のことを考え始め、息子は母の不在の部屋であるものを発見し、母の愛情に気づく。消防士の彼氏を持つ女性は彼の身の上を心配し続けているが、彼はそれを分かりつつもうまく対処することが出来ない。着ぐるみ姿でバイトをしている女性は絵描きに請われても自分の姿を見せようとはせず、そのことに絵描き自身も悩む。3年間定職のない男はずっと付き合い続けている彼女に心底、愛想を尽かされているが、あるきっかけから“別れさせ屋”を始め、それを軌道に乗せ、彼女の愛も再度、射止めようとする。

それぞれに様々な紆余曲折を経ながらも状況は好転していく。消防士はプロポーズを決意する。入院した母は息子とのコミュニケーションを取り始め、息子の不満や不安も和らげられていく。何事にも自信が持てなかった無職の男は“別れさせ屋”という仕事により、自信を取り戻し、自分にとって大切な人の存在を再確認していく。そして、着ぐるみ姿の女性は自分自身の意思をきっちりと伝えようとする。でも、別れは場合によっては必然的に、場合によっては予期しない形でやって来る。それは想像すらしていなかったトラブルであろうが、それまで積み重なてきたものであろうが、避けようのないものでもあるのだろう。

出演は大ヒット作『私の頭の中の消しゴム』で日本でも一躍人気俳優となったチョン・ウソン、『僕の、世界の中心は、君だ。』など人気急上昇中のチャ・テヒョン、『アメノナカノ青空』、TVドラマ「ごめん、愛してる」で圧倒的な人気を獲得したイム・スジョン、『天国からのメッセージ』のソン・テヨン、『甘い人生』のシン・ミナ、『H[エイチ]』のヨム・ジョンア、『ラブストーリー』、『まわし蹴り』のイ・ギウなど韓国を代表する俳優たちとこの作品がデビュー作となる子役俳優ヨ・ジング。監督はこの作品が劇場長編第2作目で、日本デビュー作となる新鋭 クォン・ジョングァン。

ひとつの物語の中で4つのエピソードが展開するこの作品は、それぞれのエピソードが時に交差をしながら進んでいく。その交差を最も上手く使用したのがラストの“別れさせ屋”が立ち回るシーンだろう。観る側はそういった交差を楽しむとともに、4つのエピソードそれぞれに自分なりの気持ちを重ねていけるだろう。この作品の原案者は「実際に人生を生きる中では、数々の異なる理由から多くの大切な物や愛する人々との別れを余儀なくされる。優しい言葉で別れていく人々の映画を作りたかった。」と語っている。悲しい別れの話のはずなのに、出会いや自分の傍にいる大切な人の存在に気付かざるえない、そんな暖かい気持ちに満たされるのはこうしたスタッフたちの思いが結実したからだろう。

キャスト・スタッフ

出演:
チョン・ウソン/チャ・テヒョン/イム・スジョン/ヨム・ジョンア/シン・ミナ/イ・ギウ/ソン・テヨン
監督:
クォン・ジョングァン
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