青春漫画〜僕らの恋愛シナリオ〜

イントロダクション&ストーリー

ジャッキー・チェンに憧れ、大学に通う傍ら、子供向けのヒーロー映画などのアクション俳優としてのアルバイトを続けているジファン。同じ大学に通い、あがり症という致命的な欠点を持ちながらも女優を目指しているダレル。ふたりは家も近所という、小学校時代からの幼馴染である。このふたり、顔をあわせるとすぐに些細なことから口げんかを始めてしまうが、すぐにケロッと仲直りもしてしまう。ダレルにはスポーツ万能でジファンの親友でもあるヨンフンという彼氏がいる。そのヨンフンの紹介でジファンにもジミンという綺麗な彼女が出来る。この2対2の関係はうまく行くのかと思いきや、なぜか4人揃っての呑みの場でダレルは不機嫌になり、悪酔いしてしまう・・・・。

コラム・見どころ

『同い年の家庭教師』の競演も印象的なクォン・サンウとキム・ハヌルが再競演した幼馴染の言い出せない想いと夢への実現、成長を描いた小気味良さに満ちたロマンチック・コメディ。

物語は会えば、互いの欠点ばかりを言い合いながらもそれ以上に深い信頼関係で結ばれた幼馴染の男女の「言いたくても言い出せない最後の言葉」への長い長い距離と夢の実現、成長を描いた可笑しくも心地よいタッチのロマンチック・コメディである。作品のテーマは“幼馴染の愛”と“夢の実現への奮闘”になるのだが、そこには映画への限りない愛情が押し込まれている。こうした部分は少年や少女のような気持ちを持つ映画ファンにとっても大きな魅力となるはずだ。

作品のオープニングは映画の生みの親である「リュミエール兄弟から60年後、香港で映画史上を変える出来事が起きる」という壮大なスケール(でも映像はコミカル)の内容でスタートする。これ、実はジファンの尊敬するジャッキー・チェンの誕生を描いたジファン自身によるオリジナルの脚本。そして、その脚本を書いているジファンは往年のジャッキーのようなオカッパ・ヘア!なのである(このクォン・サンウのルックスにファンはちょっと唖然としてしまうかもしれない)。でも、このシーンには映画への愛情と少年のようなジファン気持ちが見事に込められている。

そのジファンの幼馴染のダレルは女優を夢見て、演劇の勉強に励んでいるが、あがり症のため、ひとつとしてうまくいくことがない。自分が心底から演じたいと思い、望んだオーディションもそれゆえに台詞を語る前からはねられてしまう。そんな彼女はバスの中で自分の演技を見てもらおうとハプニング的な立ち振る舞いをしたり、そうしたことで手に入れた自信を糧に出演したい作品の監督の元に直接出向き、自分の演技を売り込むまでになっていく。

会えば、他愛のないことから口喧嘩、そして仲直りを繰り返していくふたりの関係をこの作品は小学校時代の出会いなどのふたりのエピソード、現在進行形のダレルとヨンフンの恋&ジファンとジミンの恋、ジファンのちょっと変わった唯一の肉親である父親、ダレルの母親と病気で寝たきりの父親など家族の姿も取り込みながら進んでいく。ジファンの父親の風変わりさ、ダレルの父親の存在感など、脇の面白さは韓国映画の持つ面白みのひとつだ。

自分の夢へと1歩1歩近づき、恋を楽しみ、離れることのない親友としての関係も培っていくジファンとダレル。しかし、ジファンにその夢をゼロへと戻すようなアクシデントが起きる。そこからの展開はラブコメからちょっとドラマチックな恋愛ものへと変わっていく。そして、もちろんお互いは本当に必要なものに気づいていくのだ。

あのヘアスタイルにはファンとして賛否両論があるかもしれないが、そういった部分とは関係なく、アクションもこなしながら、時にコミカルに、時に男らしく行動するジファンをクォン・サンウは魅力いっぱいに演じている。ちなみにそんなジファンについてクォン・サンウは「普段の僕そのもの」と発言している。ダレルを演じるのはコメディからホラーまで幅広い活躍をする女優のキム・ハヌル。クォン・サンウとは『同い年の家庭教師』でも小気味良いコンビネーションを見せていたが、この作品でもそうした魅力を存分に示している。また、『奇跡の夏』でニュー・モントリオール国際映画祭主演男優賞を最年少で受賞したパク・チビンが、小学生のジファンを印象的に演じている。監督は『永遠の片想い』のイ・ハン。監督は「感動を与えると同時に、楽しめる映画が好きで、そういったものを作りたい」と語っているが、この作品は正にそうしたテイストに満ちている。

クォン・サンウとキム・ハヌルのカラオケ、クォン・サンウのテコンドー、自転車でのアクションなどシーンごとの見所も多いが、何よりもこの作品の素晴らしさはクォン・サンウ、キム・ハヌル演じるジファンとダレルのふたりが常に持ち続ける初々しい気持ちが伝わってくるところだ。タイトルの『青春漫画』のようにページを開き、一喜一憂しながら読み進めていくような楽しみに満ちた、韓流ファンだけではなく、より幅広い層に楽しんでもらいたいロマンティック・コメディだ。

キャスト・スタッフ

出演:
クォン・サンウ/キム・ハヌル/イ・サンウ/チャン・ミイネ/パク・チビン
監督:
イ・ハン 『永遠の片想い』
脚本:
イ・ハン
撮影監督:
イ・ジュンギュ
音楽:
キム・ミンギュ
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