奇跡の夏
イントロダクション&ストーリー

ハニは腕白な9歳の男の子。この日も先生に怒られ、トイレに行けず、ウンチを漏らした彼は頭痛のため早退する兄のハンビョルと一緒に家へと帰る。家では汚れたお尻を洗い流すために入ったお風呂でハニは物静かな兄を相手に大騒ぎ。ふたりはいつもこんな調子だった。体調の優れない兄はハニに目覚ましをかけたので起こしてくれと一声かけ、薬を飲み、ソファーに横になる。でも、ハニはそんなことも関係ないと目覚ましを止め、テレビ・ゲームに熱中する。そのうちに母親が帰宅。いつのように寝ている兄とゲームばかりの弟を怒るが、兄の様子がいつもとは違うことに気付き、すぐに病院へと駆け込む。診断の結果は脳腫瘍。兄は早急な手術が必要な深刻な状態だった。そして、手術の日がやって来る。
コラム・見どころ

脳腫瘍に侵された兄、喧嘩をしつつも兄のことが大好きな弟。この作品は脳腫瘍という過酷な現実、兄弟の葛藤、子供だからこそ生まれるファンタジックな希望を描いている。主役は子供たちであり、その中でも兄を気遣いながらも、兄にばかり両親の気持ちが向かうことに不満を感じ、同じ病室の男の子に自分の兄を取られてしまうのではないかと冷や冷やし、嫉妬に近いものを抱えてしまう弟だ。兄の存在と自分を巡り、腕白な弟の気持ちは揺れ続けていくのだ。
実はそんな弟の気持ちを上手く舵取りするのも兄である。兄は弟が兄を取られるかもしれないという気持ちから嫌がらせをした同じ病気の男の子の家で夏休みを過ごすことを半ば強制するのだ。嫌がる弟だったが、あっという間にその男の子と打ち解け、邦題にもある“奇跡”ともいうべきファンタジックな出来事を体験していく。そして、全てはこのファンタジックな出来事と弟の気持ちから動いていく。

脳腫瘍の子供、それに対する治療や家族の気持ちという現実をきっちりと描きながら、ファンタジックな要素を持ち込んだこの作品はある家族に起こった実際の出来事をベースにしている。そのベースとなったのは、シナリオライターとして活躍していたキム・ヘジョンのエッセイである。自らの長男が脳腫瘍であるという診断を受け、その闘病の日々のまとめあげたこのエッセイ集は同じ病を共有する患者や家族はもちろん、多くの読者の共感を呼び起こしていった。そうしたエッセイを脚本として書き上げたのは著者であるキム・ヘジョンの妹であり、『カル』などの作品があるシナリオライターのキム・ウジョンだった。この出来上がった脚本を製作会社は多くの人に読んでもらうことで事前のアピールをすると共に、そこからネットを通じ、製作資金をファンド形式で募集し始める。その結果、430名もの方々から総額19億5千万ウォン(日本円で2億3千万円ほど)が集まった。このことは脚本の素晴らしさも物語っているだろう。

この夏の韓流話作『青春漫画』でも素晴らしい演技を示している、主役の弟を演じるパク・チビンはこの作品でニュー・モントリオール国際映画祭の主演男優賞を受賞(史上最年少の10歳!)したほか、韓国のアカデミー賞に当る大鐘賞の新人男優賞にもノミネートされた(同賞にはチョ・ハンソン、イ・ドンゴンなどもノミネートされていた)。また、作品は各国の映画祭に正式招待され、高い評価を獲得している。
この作品は子供の脳腫瘍の現実とファンタジックな部分が結びつくことでエンタティンメントな要素を持ち、より大きな、繋がる希望を描いたものとなっている。その希望は間違いなくこちらの気持ちを大きく揺らし、勇気や共感を生み出していくはずだ。心から泣きたいなら、間違いなくお勧めの1本です。
キャスト・スタッフ
- 出演:
- パク・チビン/ペ・ジョンオク/パク・ウォンサン/オ・ジヘ
- 監督:
- イム・テヒョン
- 原作:
- キム・ヘジョン
- 脚本:
- キム・ウンジョン
- 撮影:
- キム・ヨンホ
- サンザシの樹の下で
- 恋谷橋
- カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~
- ブラック・スワン
- 127時間
- 海洋天堂
- クイック!!
- WAYA! 宇宙一のおせっかい大作戦
- モンスター上司
- リメンバー・ミー
- ホームランが聞こえた夏
- ファイナル・デッドブリッジ3D
- レディプレジデント ~ 大物 <完全版>
- アサシン
- 犬のおまわりさん てのひらワンコ3D
- ホワイト
- K-MOVIEセレクション2001
- さや侍
- 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女 (R-15)
- プッチーニの愛人
- シャッフル
- チョン・ウチ 時空道士
- カン・ドンウォン祭 ~カン・ドンウォンの、全部 Part1~
- AQFF2011 第3回アジアンクィア映画
- あなたの初恋探します
- 導火線 FLASH POINT
- RONIN POP
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ 30周年記念リバイバル上映
- ルチオ・フルチ映画祭2011
- イヴ・サンローラン













