46億年の恋

イントロダクション&ストーリー

閉ざされた監獄の闇の中、事件は発生する。居並ぶ雑居房のひとつで、1人の少年が渾身の力を込め、1人の青年の首を絞めていた。少年は青年に馬乗りになり、ひたすら首を絞め続ける。青年の引き締まった体はぴくりとも動かず、とっくに絶命しているのは明らかだ。しかし、少年は憑かれたように首を絞め続ける。その美しい瞳に涙さえ浮かべながら……。

犯行を発見した看守たちにあっという間に取り押さえられた少年は、脱力したように抵抗しない。しかし彼は悲痛なまでに叫び続けるのだった。「ぼくがやりました!」——。

コラム・見どころ

国内外から常に動向が注視されるカリスマ、三池崇史監督が拓く新たなる芸術——
それは、世にも美しく官能的… そして哀しい少年たちのラブストーリー。
彼らが鉄格子の向こうに見たのは、希望かそれとも絶望だったのか…

この奇妙な殺人事件を捜査し始める、警部(石橋漣司)と警部補(遠藤憲一)。加害者と思われる少年は有吉 淳(松田龍平)。ゲイバーで働いていた有吉は、店の男客からホテルに連れ込まれ性的暴行を受けたことから逆上し殺害に及ぶ。男が絶命した後も、何度も執拗に遺体を損傷するといった惨殺ぶりは、今度の事件との関連を疑われる。そして被害者の青年は香月史郎(安藤政信)。あまりにも劣悪な環境で育った香月は幼い頃から様々な罪を犯し、最終的には路上で人を殴り殺した。そして偶然にも有吉と香月は同日に、この刑務所に投獄されている。

捜査が進めば進むほど、有吉の動機が謎に包まれてゆく。寡黙で誰にも心を開かない有吉と、気に入らないとだれかれ構わず殴り倒してゆく凶暴な香月。まったく正反対のタイプにも関わらず、ことあるごとに香月は有吉を守り、2人の間にはある濃密で暖かい空気が流れていた。囚人・雪村(窪塚俊介)は証言する。香月と肉体関係を持っていたとしたら「有吉じゃないんスか、やっぱ?」しかし、そう言う雪村本人も刑務所内での世渡りのためなら模範囚・土屋(渋川清彦)と簡単に寝るような男。他の囚人たちも、口々に好き勝手な証言をしていく。そして、捜査線上に浮かび上がるもう1人の男。こともあろうに、それはこの刑務所の新所長(石橋 凌)。ぞっとするような笑みをたたえながら、恐ろしく優しい口調で話しかけるこの不気味極まりない所長は、かつて自分の妻を香月に暴行され、結果妻は自殺するという壮絶な過去を持っていた。

誰が真実を告げているのか?そして、「ぼくがやりました!」と叫び続ける有吉の真意とは——。決して想像できないラストが、あなたを待ち受ける。

キャスト・スタッフ

出演:
松田龍平/安藤政信/窪塚俊介/渋川清彦/遠藤憲一
監督:
三池崇史
原作:
正木亜都(梶原一騎/真樹日佐夫)「少年Aえれじぃ」より
脚本:
NAKA 雅 MURA
音楽:
遠藤浩二

(c)2006「46億年の恋」パートナーズ

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