連理の枝

イントロダクション&ストーリー

ゲーム業界で大きな成功を収めている若き青年実業家であるミンスはメディアの寵児として大きな注目を浴び続けている。そんなミンスは本業のゲームと同様に、恋というゲームも存分に楽しむプレイボーイである。この朝もある女性と一夜を過ごし、車での出勤途中に隣を走っていた車の女性に見惚れ、前の車に追突。大事には至らなかったが、首を痛めてしまう。出勤したミンスを心配した会社の同志で親友でもあるキョンミンはにわか雨が降る中を車で無理やり病院まで連れて行くが、その途中のバス停で雨宿りをする女性に大きく水を跳ねかけてしまう。

彼女の名はヘウォン。通り過ぎてしまった車に怒りまくるが、なんと、その車はバックして彼女の前まで戻ってくる。お詫びに目的地まで送るという申し出を受け入れた彼女だったが、そこではミンスが見境もなく彼女を口説き始める。彼女は無視し、病院でさっさと車を降りてしまうが、携帯電話を置き忘れてしまう。ミンスはそれをネタにもう一度会う方法を画策し始める。ふたりともこれが運命の出会いになるとはその時には思ってもいなかった。

コラム・見どころ

韓流ブームの火付け役となったチェ・ジウが“涙の女王”というイメージ通りのヒロインを演じる、この春に公開される韓流の話題作。

この春(ゴールデンウィーク)に公開される韓流作品の中で最も大きな話題となるであろう作品が、この『連理の枝』であることは間違いないだろう。その大きな理由は主演のチェ・ジウがキャッチフレーズである“涙の女王”にふさわしい役柄を演じるということにある。多くの方がご存知だろうが、実はチェ・ジウが出演している映画は決して多くはなく、その内容のほとんどはロマンチック・コメディとなっている。TVドラマ「冬のソナタ」、「天国の階段」などで形成されてきた彼女のイメージにぴったりと合った映画は今までなかったといってもいいのだ(かといって、コメディエンヌとしての彼女が悪いわけではない)。

この作品でチェ・ジウは従来の自身のイメージにあった役柄を演じる。なんていったって“不治の病”と“最後の恋”なのだ。韓流ファンなら、自ずと期待が高まってしまうはずだ。でも、ここでのチェ・ジウが演じる役柄はお終いが決まっている人生を嘆くのではなく、そうしたことを表に現さずに病院を抜け出し、街を徘徊し、病院では悪戯に奔走しという日々を子供のように楽しく過ごし、周りも楽しませるという、ちょっとイメージを変えた役柄を演じている。この生来の明るさとサービス精神に富んだキャラクターはチェ・ジウ本人が持っているキャラクターに近い部分もあり、本人は役作りに入りやすかったようだ(それでも死を知っていながらここまで前向きにはなれないだろうという意味合いのことも語っている)。“涙の女王”というイメージと映画でのロマンチック・コメディのイメージがうまく重なったのが、今回のチェ・ジウの役柄と考えればいいのかもしれない。

チェ・ジウのこうした役柄が生まれたのには、この作品で劇場監督デビューを飾ることになったキム・ソンジュンが作品にこめた想いがある。この作品のアイデアを「悲しみではなく、幸せな明るい雰囲気の葬式に参列したときに浮かんだ」と語る監督はそこから、死が迫っているからといって、必ず悲しく、泣かなければならないのだろうかという疑問を持ち、そうではない「まったく新しい感覚のラブストーリーを描きたかった」という。そうした部分から、ロマンチック・コメディのような雰囲気で物語の前半は進んでいくのだ。この楽しさを転換させるのは男が医者からの説明により何かを知ってからである。それまでの楽しいだけの日々にはズレが生じ始め、お互いの気持ちもすれ違っていく。でも、だからこそ、お互いに相手が必要ということにも気づいていくのだ。

チェ・ジウの相手役を演じるのはTVドラマ「ナイスガイ」、映画デビュー作『オオカミの誘惑』で大きな注目を浴びたチョ・ハンソン。まだまだ若いのだが、実年齢以上の大人びた、包容力のある役を見事に演じている。主演のふたりの親友を演じるチェ・ソングク、ソ・ヨンヒもその恋模様を含めていい味わいを生み出している。また、エンディング・テーマとして流れるシン・スンフンの歌も素晴らしい。タイトルの“連理の枝”とは中国の詩人 白天楽の「長恨歌」の一節から取られたもので「二本の木の枝が、成長するにつれて寄り添い絡み合い、まるで一本の木のようになっていく様を表したもので、永遠の愛を象徴する」ことを意味している。

様々な障害を越えながら、生み出されていくふたりの軌跡。その流れには大いに笑いながらもやっぱり最後は涙という方が多いのではないだろうか。「この作品を観て恋をしてもらえれば」というのは監督、出演者をはじめ、この作品に関わったスタッフたちの願いだという。その願い通りに多くの人が恋に焦がれる作品となるかもしれない。

キャスト・スタッフ

出演:
チェ・ジウ『誰にでも秘密がある』「天国の階段」/チョ・ハンソン『オオカミの誘惑』/チェ・ソングク/ソ・ヨンヒ
監督・脚本:
キム・ソンジュン
撮影監督:
ソク・ヒョンジン
照明監督:
イ・ジュセン
音楽担当:
パク・キョンジン
主題歌:
シン・スンフン
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