SPL/狼よ静かに死ね

イントロダクション&ストーリー

チャン捜査官たちが厳重に警備された車で黒社会のドン ポー逮捕の重要な鍵となる証人を移送している。しかし、その車は別の車に追突され、証人や同乗者は惨殺されてしまう。生き残ったチャンは、同じく生き残った、証人の幼い娘を養子に迎え入れ、ポーの逮捕へ執念を燃やすことになる。しかし、そうした執念とは別にチャンの体は病巣に犯され始めていた。

コラム・見どころ

ドニー・イェン、サモ・ハン、ウー・ジンによる壮絶なアクション、サイモン・ヤムの執念のドラマが生み出す、香港映画の真髄を示すノワール・アクションの傑作。

3年後、チャンの引退は間近となり、後任者となるマー捜査官が派遣されてきた。チャンの願いはポーの逮捕、ただひとつ、そのためにチャンは職務を逸脱する行動にまで出ていた。チャンの状況を知る部下たちも男気からそれに加担していたが、マーにはその法を無視したやり方が理解できなかった。しかし、チャンの想いを知り、チャンの人間味溢れる部下たちが惨殺されていく状況に出くわしていったマーはポーに戦いを挑んでいくことになる。

『インファナル・アフェア』シリーズ、やチャウ・シンチーによる『少林サッカー』、『カンフー・ハッスル』などの作品のヒットや“華流”と呼ばれる台湾を中心とした中国映画のブームにより、日本での香港映画への注目は再び大きくなってきている。そして、香港映画界も低迷期を抜け出し、『ブレイキング・ニュース』、『ワンナイト イン モンコック』などの秀作も公開されるようになってきた。でも、1970年代、1980年代の香港映画に熱狂した方には何かが足りないと感じられるかもしれない。それはカンフー、格闘技としての香港映画のすごさだろう。

ブルース・リーからジャッキー・チェン、ジェット・リー・・・・、カンフー映画の黄金時代に香港が生み出してきた俳優たちはアジアはもちろん、世界中を熱狂させ、彼ら自身もアジアからハリウッドへと進出し、大活躍をしてきた。ヒップ・ホップ、ファッションなど、その影響は今でも衰えることがない。この作品はそうしたカンフー映画の黄金時代の興奮を呼び起こしてくれるものとなっている。

出演はドニー・イェン、サモ・ハンという香港映画界を代表するアクション・スター、ジェット・リーの師匠であるユエン・ウーピン監督に見出された新世代のアクション・スター ウー・ジン、香港ノワールには欠かせぬサイモン・ヤムなど。サモ・ハンはこの作品で初めての悪役に挑戦している。

主演だけでなく、アクション監督も自らの手で手掛けたドニー・イェンは『マッハ!』を観て興奮し、「もっと凄いものを作ってやる!」という意気込みで、この作品に臨んだという。その結果、生まれたのが興奮しっぱなしのアクション、決闘シーンだ。。その中でも最も凄まじいのが、ドニー・イェンとウー・ジンの、それに引けを取らないクライマックスのドニー・イェンとサモ・ハンの格闘シーンだろう。このふたつの格闘シーンのみで、この作品は多くの映画ファンの胸に刻まれることは間違いない。

でも、この作品はアクションだけでなく、人間のドラマがある。それは親子、家族への愛情というドラマである。黒社会のボスにはやっと念願の子供が誕生し、捜査官はあの証人の生き残った娘を養子としている。その他の主要な登場人物にもそれぞれの親子の関係がある。それは離婚、養子、すれ違い、音信不通などで完璧なものとはなっていないかもしれない。物語ではそこが落とし穴にもなっていくのだが、そうした部分からこの作品は家族という存在の尊さをも描いている。

この作品は物語とアクションが相乗効果となり、男泣きの切なさ生み出していく。往年の香港映画ファンだけでなく、香港映画にはまりはじめた方もきっと、この男の世界の虜になるはずだ。

キャスト・スタッフ

出演:
ドニー・イェン/サモ・ハン/サイモン・ヤム/ウー・ジン
監督:
ウィルソン・イップ
プロデューサー:
カール・チャン
スタント:
谷垣健治
音楽:
チャン・クォンウイン

(C) 2005 ABBA Movies Company Limited

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