B型の彼氏

イントロダクション&ストーリー

ドラマ「パリの恋人」で圧倒的な人気を獲得した俳優イ・ドンゴンの映画初主演となる、多分世界初の血液型を題材としたラブ・コメディ作品。

物語の主人公は“我が道を行く”性格とされる血液型がB型の青年ヨンビンと運命の出会いを信じ、恋に恋焦がれる血液型がA型の女子大生ハミ。3on3のバスケットのお金を賭けた試合でもシュートの多かった自分が多くの分け前を受け取り、待ちくたびれたと怒る彼女をその場で捨て去る自分勝手なB型のヨンビンは当てにしていた事業の提携もうまく行かず、ちょっと自暴自棄の状況。一方、運命の出会いを信じ、友人の合コンなどの誘いもパスし続けるA型の女子大生ハミは間違えて見ず知らずのヨンビンのアドレスにメールを送り、それに返事が来たことから、運命の出会いを信じてしまう。しかし、その後に悲劇が起こる。バスを降りたところで、青年とぶつかり、彼女の携帯が壊れてしまうのだ。相手が使っていた携帯も全く同じものだったため、彼女は身代わりとばかり、その携帯をもぎ取り、バスに飛び込むが、その後に唖然とする。その携帯は彼女が間違えてメールを送った運命の人のものだったのだ。こうしてふたりはお互いに惹かれあっていくが、ハミはB型のヨンビンに振り回されてばかりの日々を送るようになってしまう・・・・。

コラム・見どころ

それをどれくらいの人が信じているのかは分からないが、日常的な話題、ネタとしては当たり前のように持ち出される血液型による性格判断。この血液型による性格判断が2004年後半に韓国で大ブームとなった。“血液型シンドローム”とまで言われたこの大ブーム、男女の集る場所では必ずといっていいほど、血液型が話題になり、その場では必ずといっていいほど、B型の男の最低さが語られたという。ネット上ではB型の彼氏と付き合った経験を慰めあう女性の掲示板が大盛況となり、「B型の男」というB型男性をコケにしたヒット曲まで生まれたほどだった。この“血液型シンドローム”の中で大きく取り上げられるB型の男に注目して作られた作品が、この『B型の彼氏』だった。

とにかく、ここで描かれるB型の男ヨンビンは“我が道を行く”ではなく、“身勝手”そのもの。先にも書いたとおり、自分が一番得点を入れたのだからとバスケットの勝利で手に入れた分け前を多く持っていく、待ちくたびれた彼女に「もう、待たせたら別れるからね」というようなことを言われれば「どうぞご勝手に」とその場で彼女を捨て去る。デートの映画がつまらなかったら、相手のことを考えずに映画館を出て行く、相手が行きたくないデートにも無理やり引っ張る、相手の気を引くためにその子が暮らすマンションの前で歌い始める等々、留まることのない行動の嵐である。B型の男性も怒っただろうなと思うのだが、逆に「よくぞ分かってくれた」と大きく支持。その理由はイ・ドンゴンが格好いいからではない(ま、それもあるだろうが)。

一方、運命の出会いを信じるA型の女性ハミはそんなヨンビンの“身勝手”な行動に耐え、許し続けるというか、その“身勝手”な強引さに戸惑いながらも、そこに惹かれ、夢見ている雰囲気すらある。イ・ドンゴンみたいなルックスの男性が自分のために歌まで披露してくれるとなれば、当然と思う向きもあるかもしれないが、当然のごとく、この恋は暗礁へと乗り上げていく。その暗礁を乗り越え、再び結ばれるというのももちろんお決まりのパターンだが、この過程でのヨンビンの心の変化と行動は見所だろう。

作品はイ・ドンゴンのファンにはたまらない魅力に満ち溢れている。「パリの恋人」のヒットで引っ切り無しにやってくる次回作へのオファーの中からこの作品を選んだイ・ドンゴンは「僕自身はヨンビンとは全く正反対のA型の短所だけを集めたような性格」、「ヨンビンというキャラクターを理解するのに多少苦労したが、“嫌な男”ではなく“自分勝手だけど魅力的な男”にする努力をした」と語っている。この辺がB型男の反感ではなく、誇り、共感を生み出したひとつの理由だろう。もちろん、その辺の魅力はファンにも存分に伝わるはず。ハミ役のハン・ジヘはスーパーモデルとしてデビューし、その後、ドラマを中心に活躍していたが、この作品で映画に初主演。乙女心いっぱいの初々しい女性を見事に演じており、韓流ファンにとっては今後も注目すべき存在となっていくはずだ。その他、脇には相変わらず面白い、魅力的なキャラクターが配されているのだが、中でも注目はB型の男性を眼の敵にするハミの従姉で同居人のチョヨンを演じるシン・イだろう。破天荒な彼女はとにかく面白い。

監督、脚本はこの作品が劇場長編デビュー作となるチェ・ソグォン。自らもB型であるという監督だが、実はこの作品の製作スタッフは全てB型。B型だからこそ知りえる“身勝手”なようで実はそれだけではない奥深い世界観を見事に描ききっていたのもこの作品が支持された大きな理由だろう。作品は韓国国内だけで150万人を動員するヒットを記録している。

イ・ドンゴンの魅力を味わうのはもちろん、今までに付き合ってきたB型の彼氏の行動と重ねるも良し、B型の彼氏と共にデートとして観るも良し(かな)のこの作品『B型の彼氏』。多分、世界で初めてであろう血液型ラブ・コメディを自分自身の想いなども重ねながら、お楽しみください。

キャスト・スタッフ

出演:
イ・ドンゴン/ハン・ジヘ
監督:
チェ・ソグォン
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