天国からのメッセージ

イントロダクション&ストーリー

物語は海を見渡せる、風光明媚な素晴らしい地に建った1件の家をひとりの男が購入することから始まる。男の名はピルギ。まだまだ若い彼は人生の夢であるマイ・ホームを手に入れ、これからはここで恋人と人生を作り上げていくという夢を持っていた。でも、引っ越したその日から家や彼の周りでは奇妙な現象が起こり始める。壁にしっかりと架けたはずのポスターが落ち、家を手に入れるために続けている夜の仕事の代行運転では飛び出してきた人を跳ねたはずなのにその形跡すらないのだ。しかも、その状況は目に見えてエスカレートし始め、TVから人間が飛び出し、ソファーが彼を襲うまでになってきた。実は彼が手にした念願のマイ・ホームは地元では有名な幽霊ハウスだったのだ。彼は意地を通し、そこに居座り続けるが、起こるのは信じられない恐ろしいことばかりで、家にもいられない状況になっていく。そんな日々が続く中、彼は家に見ず知らずの女性がいるのに気付く。実は彼女こそがこの家の幽霊の正体だったのだ。

コラム・見どころ

人生の夢であるマイ・ホームを手にした男。でも、そのマイ・ホームには幽霊が住み着いていた。韓国国内では400万人以上の動員を記録した笑えて泣けるエンタティンメント作品。

この作品は韓国国内では2004年に最大規模で公開され、400万人という動員という大ヒットを記録している。監督はこれも韓国国内で大ヒットを記録した『アタック・ザ・ガス・ステーション!』、前回の韓フェスで上映された『ジェイル・ブレーカー』のキム・サンジン。韓国では圧倒的な人気を誇るキム・サンジン監督の作品はとにかくテンポが良く、楽しめるというのが特徴なのだが、この作品もそういったラインを外れていない、多くの人が楽しめるものとなっている。

まず、主人公が家にこだわった理由が面白い。子供の頃から父親の手によって育てられてきた彼はひとつの土地に留まらない生活を送ってきた。父親は何か気に入らないことが起きるとすぐに家主と喧嘩をし、リヤカーに家財道具を積み、新しい土地へと移動していった。彼は父親に家が欲しいようと泣きながら訴えるのだが、父親は何かがあれば引っ越せばいいと息子に話し、成長した息子もそれを肝に銘じ、気に入らない大家の息子に喧嘩をふっかけるまでになっていく。移動することは父親の息子への愛情でもあり、息子を強くもしたのだった。でも、そんな根無し草のような父親が息子に残した遺言が「家を買え」というものだったのだ。彼はその遺言を忠実に守り、寝る間も惜しみ、働くことで、理想ともいうべき家を手に入れるのだが、その結果が幽霊騒動である。

「俺はあの海兵隊出身だ」と強がる主人公だが、どんどんとエスカレートする、予想すら出来ない幽霊の攻撃には最終的に降参。売れるわけがないと思っていた家の買い手も見つかり、これで一件落着と思いきや、そこに現れたのがひとりの美しい女性。実は彼女こそが彼を脅し続けていた幽霊の正体だった。彼を追い出すということは彼女にとって自分の家を守る行為のはずだったのだが、この家が売れた上で壊されるという事実を知り、彼女は彼になぜ、自分がこの家にこだわるのかを話し、家を守ってと懇願する。前半のホラー・コメディ的なテイストは幽霊の正体と目的が明らかになることによって、大きく転換していく。ここからはマイ・ホームを持つという自分の想いと共に、幽霊である女性の願いを叶えるという純真な彼の男気にも満ちた活躍が始まっていく。これ以降の展開は面白くもファンタジックで、胸にジーンとくるものへと変わっていく。

作品に登場するもうひとりの重要な人物が主人公が働く造船所に班長としてやってくるオヤジである。実は彼もあるきっかけから幽霊が見えるようになっていた。それは彼が造船所で事故にあったとき、彼は生き残り、長年の仲間が死んでからだった。その仲間はこの日も造船所に仕事に来ているが、その姿を確認できるのは班長と主人公だけだった。班長は主人公の理解者となり、彼ら3人は焼肉屋で杯を交わすまでの関係にもなっていく。実は映画の冒頭で主人公が車で轢いたと思った男性はその幽霊であったりと、この辺りのエピソードも気がきいている。

主演のピルギを演じるのは、前回の韓フェスで上映された『ライターをつけろ』、キム・サンジン監督の『ジェイル・ブレーカー』などに出演しているトップモデル出身の二枚目俳優チャ・スンウォン、美しい幽霊の女性役を演じるのはペ・ヨンジュン主演のTVドラマ「海風」などTVを中心に映画でも活躍するチャン・ソヒ。二枚目らしからぬ、ちょっと間抜けでバカ正直な男を熱演するチャ・スンウォン、憎らしさと可愛らしさを持った幽霊を演じるチャン・ソヒともに作品に魅力的な味わいを生み出している。

前半はホラー・コメディでありながら、後半はファンタジックな感動的展開へとなっていくこの作品は、感動好き、笑い好きにも訴えること間違いなしのエンタティンメント作品となっている。テイストとしては往年の日本映画の人情喜劇的な雰囲気も持っているので、若い方はもちろん、お年を召した方も楽しめるはず。役者の知名度などに引き摺られずに、こういった作品も楽しんでください。

キャスト・スタッフ

出演:
チャ・スンウォン『リベラ・メ』『ジェイル・ブレイカー』
チャン・ソヒ「人魚アガシ」
監督/脚本:
キム・サンジン『風林高/新羅の月夜』

2004(C)Cinema Service Co., Ltd. All Rights Reserved.

  • コメント

一覧へ戻る