僕の恋、彼の秘密

イントロダクション&ストーリー

物語の主人公は田舎に暮らす17歳の男の子。彼はカッコイイ男の子との恋に憧れ、そういった恋の夢を見て夢精をすることもある。この夏休み、彼は新しい出会いを求めて夢の台北へと向かった。台北で彼が最初に出会ったのはメールでやり取りをしていた男性。いきなり「SEXしよう」と誘われたものの、その意味すらよく分からない純な彼は断ってしまう。そんな彼が友人が働くゲイ・クラブで一目惚れをする。その相手は“ミスター・ラブマシーン”と呼ばれるプレイボーイ。一夜限りで男を捨てていくプレイボーイのやり口を知っている友人たちは反対するが、彼はその想いをつのらせていくというもの。

コラム・見どころ

台湾では2004年上半期ボックス・オフィスNo.1を記録し、社会現象まで巻き起こしたポップでコミカルなゲイの男の子たちの恋の物語。

アジア系の映画に大きな注目が集る中、韓国の“韓流”に続き、大きな波になるといわれているのが中華圏の“華流”である。その中心となるのは間違いなく台湾勢、例えば、台湾を代表するアイドルグループであるF4やチェン・ボーリンはすでに日本でも多くの熱狂的なファンを抱えているし、そのF4が誕生するきっかけとなったTVドラマ「流星花園〜花より男子〜」のDVDは大ヒットを記録している。これで映画が大きな話題になれば、本格的に火がつくかもと思うのだが、そうしたきっかけとなりそうな作品が、ここで紹介する『僕の恋、彼の秘密』だ。

この作品はそのタイトルからも想像できるようにゲイ映画である。ゲイ映画となれば、女の子が間に入ったり、ゲイである自分に苦悩したりするのが定番だが、この作品にはそういった部分が一切ない。物語は小気味よく、コミカルでポップ、女の子は脇としても登場しない。そうした部分から観客層の中心はゲイが想定され、それを受け、最初は4館という本当に小規模で公開されたこの作品は口コミが口コミを呼び、結果的には社会現象ともなるほどの大ヒットを記録してしまう。その大きな要因となったのがポップなストーリー展開と出演した俳優のルックスだろう。

純な男の子の初めての甘く、ほろ苦い恋をコミカルさを交えながら描いていくというストーリー展開は少女漫画的でもあり、ゲイが主人公でありながらも夢見る世代なら共感できる部分を持っている。逆にすでに夢を知ってしまった世代にはコミカルさが強調されてくる。社会的に背負った暗さなんて一切ない。キャラクターの面白さや初恋の甘酸っぱさが詰まったこの作品はゲイが主人公ではあるけれどもラブ・コメや少女漫画、中でもやおい系が好きな女の子たちを楽しませてくれる雰囲気に満ち溢れている。とにかく明るいのだ。

そんな女の子たちを夢中にしたのが、主人公の男の子とプレイボーイの男を演じる主人公ふたり、トニー・ヤンと、ダンカン・チョウだ。モデルとしてデビューし、ドラマなどで活躍、この作品が映画デビュー作となったトニー・ヤンは台湾金馬賞最優秀新人賞を受賞するなど圧倒的な評価と人気を獲得し、一躍、台湾を代表する若手俳優となっている。一方、ダンカン・チョウもモデルとしてデビューし、数多くのドラマや映画で活躍している人気俳優である。このふたりを彩る男の子たちのルックスも要チェックだろう。

監督はこの作品が劇場デビュー作となる女性監督DJチェン。彼女自身もこの作品が多くの層に受け入れられたのは嬉しい誤算的な発言をしているが、ゲイを当たり間のように受け入れって来た世代感覚と女性ならではの視線がこのポップなラブコメを作り上げ、受け入れてきたことだけは間違いないだろう。

トニー・ヤンとダンカン・チョウのルックスももちろんだが、少女漫画のようなポップでコミカルなストーリー展開、そして初めての恋へ込めた気持ち。この作品はそうした部分から日本でも若い女性を中心に受け入れられていくだろう。男性から観るとちょっと辛い部分も無きにしも非ずなのだが(ゲイを自認する方はもちろん別だろうが)、ストーリー展開のポップさ、軽さ、笑いなど引き込まれる部分も多い。今の台湾のポップさが全開している『僕の恋、彼の秘密』、いい男が好きなら、ポップなラブ・コメディが好きなら見逃せない作品だ。先物買いとしてもお勧めします。

トニー・ヤンの来日記者会見の模様は http://www.cinemart.co.jp/contents/interview/int20051013_tony.html で。

キャスト・スタッフ

出演:
トニー・ヤン/ダンカン・チョウ
監督:
DJ チェン
脚本:
ラディ・ユウ
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