親切なクムジャさん

イントロダクション&ストーリー

物語はイ・ヨンエ扮する主人公クムジャが刑務所から出所するシーンから始まる。少年の誘拐殺人事件の犯人として逮捕された彼女は20歳からの13年という時間を塀の向こう側で過ごしたのだった。刑務所の中で彼女は模範的な囚人であり、仲間のためには一肌も二肌も脱ぐ、天使のような存在だった。そこから彼女は“親切なクムジャさん”と呼ばれていた。しかし、それもこれも彼女にとってはすべてこの出所後、自分に罪をなすりつけた男に対して復讐するための準備だった。出所した彼女は刑務所での仲間たちを訪ね、復讐計画を実行へと移し始める、というものだ。

コラム・見どころ

地上波での放送も開始された韓国の大人気ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」のイ・ヨンエ主演、『オールド・ボーイ』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したパク・チャヌク監督の待望の最新作『親切なクムジャさん』。

2000年に公開された『JSA』の大ヒットにより、一躍韓国を代表する監督となり、2004年には『オールド・ボーイ』のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞により、今度は世界から注目される監督となったパク・チャヌクの待望の最新作。日本では公開が前後したが、『復讐者に憐れみを』(2002)、『オールド・ボーイ』に続く、“復讐三部作”の最終章に当たる作品である。主演は『ラスト・プレゼント』、『春の日は過ぎゆく』、TVドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のイ・ヨンエ。

“復讐三部作”の最終章となるこの作品は、韓国国内では公開と同時に圧倒的な支持を集め、僅か2週間で観客動員数300万人を突破するというシリーズ中で最大のヒットをを記録している。作品中で主人公を演じるイ・ヨンエが放つ決め台詞のいくつもが流行語にまでなっているほどだ。

来日時の記者会見でパク・チャヌク監督は「この作品はイ・ヨンエさんの映画です」と語っていたが、その発言どおり、今までにない部分も含めての彼女の魅力が全開した作品となっている。人への奉仕を厭わない天使のような“クムジャさん”、復讐心を胸の中に秘めた冷酷な“クムジャさん”、そして人生とその意味に苦悩する“クムジャさん”とひとりの人間としての様々な姿がそこには存在するのだ。イ・ヨンエは「(今までのイメージである)“酸素みたいな女”というイメージを脱ぎ捨てたいわけではありません。ただもっと多くの可能性を試してみたいんです。一つのジャンルとキャラクターに閉じ込められるのが息苦しかったんです」とこの作品へ出演した理由を語っている。ベテランのスタッフたちもイ・ヨンエの美しさには常に驚嘆の声を上げつづけているというが、その美しさが彼女のイメージを縛り付けていたのだろう。イ・ヨンエにとって女優としての真の出発点になるであろう作品が、この『親切なクムジャさん』でもあるのだ。

“復讐三部作”は残忍な描写も大きな魅力となっていたが、この作品『親切なクムジャさん』は血(ノリ)の量などは相変わらずだが、そういった描写自体は少なくなっている。これは女性が主役となったのが大きな理由だ。監督自身は「主役が女性なので優雅なアクションを心掛けた」と語るが、衣装も野暮ったいものからハードボイルド的なものまで七変化させながらイ・ヨンエだからこそ生まれたであろう優雅さがそこには満ちている。

雪の風景に始まり、雪の風景に終わるこの作品『親切なクムジャさん』はその白さが“復讐三部作”に込められた全ての想いを浄化していくような作品だ。監督自身がここで問いかけたかった総括的な復讐の是非というテーマもあるが、やはりこの作品はイ・ヨンエの女優としての魅力に彩られた作品だ。ファンの方はぜひ、脚を運んでください。

キャスト・スタッフ

出演:
イ・ヨンエ/チェ・ミンシク
監督:
パク・チャヌク
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