人形霊

イントロダクション&ストーリー

物語の舞台は森の奥深くにある人形ギャラリー。ここに新たに展示される人形のモデルとなるために新進気鋭の彫刻家の女性、今時の女子大生、売れっ子のカメラマン、自分の人形を愛する抱えた少女が呼ばれた。この4人にプラスして、モデルの男性が自ら志願。普段なら彼の行為は受け入れられないことだったが、人形作家の許可が出たことから、5人はこのギャラリーに滞在することとなった。この人形ギャラリーには中年の男性館長、車椅子に乗る女性人形作家、そしてひとりの少女が暮らしていた。少女は多くの人の前ではなく、彫刻家の女性の前にのみ現れていた。そして、ひとつの事件が起きる。自分の分身ともいうべき人形を抱えた少女のその人形が何者かによってまるで、人間を殺すかのように壊されたのだった。それを発端に恐るべき恐怖がゲストたちを襲い始める。

コラム・見どころ

『ボイス』、『箪笥』というヒット作を生み出し、以降、続々と公開が続いている韓流版ホラー作品のひとつ。

周囲から完全に隔離された、携帯電話も通じない1軒家という世界、そこに次々と襲い掛かる恐怖はホラー映画としては基本中の基本である。場所が人形ギャラリーであること、タイトルの『人形霊』から話の向かう先も想像できるかもしれないが、この作品の新味はその人形霊という部分にある。ホラーであるから恐怖はあるのだが、その人形霊ゆえに切なさに満たされてくるのだ。あまり種明かしは出来ないが、小さい頃はどこに行くにも自分の最高の友達で、手放すことなどなかった人形やぬいぐるみの記憶というものは多くの人が持っているはずだ。でも、そうした人形を今でも持っているという人は少ないはずだし、どこにどうしたかという明確な記憶のある人もほとんどいないはずだ。それは自らの成長などの過程でどこかに捨ててしまったのではないだろうか。

出演は『ボイス』のキム・ユミ、『子猫をお願い』のオク・ジョン、『品行ゼロ』のイム・ウギョンなど。監督はこの作品が監督デビュー作となるチョン・ヨンギ。脚本も人形にインスパイアされた彼が書き下ろしている。

“人形には魂が宿る”とはよく言われ、様々な人形を題材としたホラーが製作されてきたが、この作品を観た後は自分が子供の頃に背負ってまでいたぬいぐるみの行方を考えてしまった。そんな切なさがつのるホラー作品だ(ちなみに個人的に思ったのは子供と観るのも面白いかもなということだった)。

キャスト・スタッフ

出演:
キム・ユミ『ボイス』/オク・ジョン『子猫をお願い』/イム・ウギョン『品行ゼロ』
監督:
チョン・ヨンギ
脚本:
チョン・ヨンギ
美術:
チョン・スア
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