受取人不明

イントロダクション&ストーリー

黒人米兵との混血児チャングク(ヤン・ドングン)の母は帰国した米兵の夫に手紙を送り続けるが、それはいつも「受取人不明」で返送されるだけ。チャングクの唯一の友人ジフム(キム・ヨンミン)は事故で片眼を失明した女子高校生ウノク(パン・ミンジョン)に想いを寄せていたが・・・。

コラム・見どころ

ベネチア映画祭コンペティション2年連続出品を果たした “世界のキム・ギドク”最高傑作! 心に傷を抱えた若者たちの青春物語。

『魚と寝る女』に続き2001年ベネチア映画祭連続出品を果たしたキム・ギドク監督6作目。“韓国映画界の異端児”から“世界のキム・ギドク”を決定づけた傑作。70年代米軍基地の町ピョンテクに暮らす若者たち3人の<心の痛み>と<悲しみ>を緻密な構成で描く。

本作では、朝鮮戦争の傷跡を背負って生きる人々が描かれているが、個人的にはアメリカ兵の「僕の故郷には山がない。地平線の見える平野だ。ここは山ばかりで、息がつまりそうだ」というセリフが印象的だった。来たくて来ているわけではない兵士の中には、精神状態が限界まで来ている人もいて、そのような兵士も"傷を負った人"として描かれている。

今年2月にキム・ギドク監督が来日した際に、これまでの作品を大きく3つに分けて説明し、本作は『コースト・ガード』、『ワイルドアニマル』、そして現在公開中の『サマリア』と同じ"フルショット映画"に分類。「"フルショット映画"とは、人間全体を見た映画。これは社会の中に生きる人間、社会の中で人間がどのように行動的な矛盾を抱いているか、内包しているかというところに焦点を当てて作った映画です」と語っていた。さらに、「こういった視点がそれぞれ違うものであること、それを理解し、それぞれのイメージを抱きながら観ていただけると、私の映画は理解できると思います」とのことなので、ぜひそれを踏まえた上で鑑賞していただきたい。

2005年2月25日に来日した際のインタビュー詳細はこちら。

ジフムの父親役で登場するのが、人気ドラマ『ホテリアー』の料理長役や『新・貴公子』の監督役、窪塚洋介主演の映画『GO』にも出演したミョン・ゲナム。名脇役として知られる、彼の演技にも注目しよう。

キャスト・スタッフ

出演:
ヤン・ドングン『風のファイター』<勝手にしやがれ> キム・ヨンミン『春夏秋冬そして春』 チョ・ジェヒョン『木浦(モッポ)は港だ』 パン・ミンジョン「遠い道」
監督:
キム・ギドク『サマリア』『悪い男』
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