コーストガード

イントロダクション&ストーリー

徴兵され海兵隊員として軍事境界線に近い海岸に服務するカン上等兵(チャン・ドンゴン)。ある夜、深い闇の中で人影を発見、北の工作員が潜入したと思い射殺するが、それは酒に酔って情事を楽しむカップルの一人だった・・・。

コラム・見どころ

2002年第7回釜山国際映画祭オープニング作品
2003年第38回カルロヴィヴァリ国際映画祭国際評論協会賞ほか 2部門受賞
第36回シッチェス国際映画祭 Gran Angular部門

『ブラザーフッド』のチャン・ドンゴンと奇才キム・ギドク監督・・・世界が認める才能が結集! 南北軍事境界線、民間人をスパイと誤認し、射殺してしまったある兵士の悲劇。

南北軍事境界線に近い海岸を警備中、民間人を北のスパイと誤認して射殺してしまうことから始まる、ある兵士の悲しみを緊迫感と狂気に満ちたタッチで描いた心理サスペンス。

『ロスト・メモリーズ』の次回作として、チャン・ドンゴンが選択したのは低予算ながらも海外映画祭では高い評価を得てきたキム・ギドク監督作品。独特な映像感覚で“韓国映画界の異端児”と言われてきたキム監督の作品に俳優としてトップスターの地位を確立したチャン・ドンゴンが自ら出演を志願し、破格の安いギャラで出演し大きな話題を呼んだ。

本作はキム監督自身が5年間海兵隊で過ごした経験をもとに、朝鮮半島の現在を生きる人々の現実と葛藤を生々しく描いた作品である。キム監督は本作のインタビューで「チャン・ドンゴンはスターとは思えないほど、謙虚で知れば知るほど素晴らしい人物」と賞賛の声を惜しまなかった。撮影は全羅北道扶安郡ウェドの海岸で行われた。

この作品の重要アイテムとして登場するのが、「夜7時以降の侵入者はスパイとみなし射殺する」という看板。「遊泳禁止」や「ゴミは持ち帰りましょう」と書かれた看板と同じような感覚で立っているだけに、余計に重く感じる。
スパイを射殺すれば、勲章と報奨金が与えられ、1階級特進で除隊できる。しかし、取り逃がせば、営倉(軍隊の留置場)に行かされ、生涯の不名誉となる。暗闇の中で侵入者を見かけたら、考えている暇などないのだ。でも、民間人である可能性もゼロではない。こんな状況に、普通の人間は耐えられるのだろうか?

カン上等兵は、迷わず撃った。それが自分の任務だから。でも、撃った相手は民間人だった。他の場所なら、"殺人"である。しかしここでは罪に問われることはなく、逆に「不審者に対し適切に対処し、忠実に任務を遂行した」として表彰され、休暇まで与えられた。表彰されても、休暇を与えられても、喜べるはずもない。むしろ罰を受けられるものなら、受けたかっただろう。その方が、少しは救われたかもしれない。
自分だったらどうするだろうか、自分の恋人がカン上等兵の立場になったら、彼を受け入れることができるのだろうか。今まで考えたこともない世界だった。でも、韓国人にとっては、決して映画という"虚構の世界"の話ではないのだ。朝鮮半島で生きる人々の現実を生々しく描いたこの作品は、映画というよりは、まるでドキュメンタリーを見ているようだった。

最新作『サマリア』の日本公開(3月)も決定しているキム・ギドク監督。"韓国映画界の異端児"と言われるだけあって、好き嫌いがわかれるかもしれないが、『悪い男』(2001年)を見たチャン・ドンゴンが、その個性の強さに自ら出演を志願したくなったほどの監督だ。興味深い作品であることは、間違いない。

キャスト・スタッフ

出演:
カン上等兵/チャン・ドンゴン『ブラザーフッド』<イヴのすべて> キム上等兵/キム・ジョンハク「公共の敵」『氷雨』 ミヨン/パク・チア チョルグ/ユ・ヘジン『氷雨』
監督:
キム・ギドク『悪い男』『春夏秋冬そして春』
製作:
LJフィルム 製作:イ・スンジェ『悪い男』『春夏秋冬そして春』
製作:
ク・ボナン『二重スパイ』
撮影:
ペク・ドンヒョン『春夏秋冬そして春』
編集:
キム・ソンミン『殺人の追憶』
音楽:
チャン・ヨンギュ『反則王』『4人の食卓』
照明:
ハン・ギオプ『同い年の家庭教師』『春夏秋冬そして春』
美術:
ユン・ジュフン『ブラザーフッド』
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