数多くの才能を生み出し、世界中の映画人から注目を浴び続ける韓国映画界から新たな才能と作品が誕生した。初監督となるノ・ヨンソクによる本作『昼間から呑む』である。本作の主人公は、彼女にふられた、どこにでもいる優柔不断な、小心者の青年。ノ・ヨンソク監督は、山下敦弘、ウディ・アレン、ジム・ジャームッシュにも通じるオフビート感覚と独自のテンポ感で、主人公が「酒」「女」という欲望と自らの煩悩に心乱されながらも旅をしていく姿を描いていく。本作『昼間から呑む』は驚くべきことに日本円で100万円にも満たない 1,000万ウォンという超低予算で製作された。しかし、そうした低予算をものともせず、ノ・ヨンソク監督は卓越したストーリーテリングと演出で、世界中の映画祭を席捲。ロカルノ国際映画祭において特別言及賞とアジア最優秀映画賞(ネットパック賞)を受賞、全州国際映画祭では観客評論家賞、JJスター賞を受賞。その他各国の映画祭でも圧倒的な反響を巻き起こしてきた。
本作でノ・ヨンソク監督は監督のみならず、脚本、撮影、編集、美術、音楽とスタッフ周りをすべて自分でおこなうというマルチな才能を発揮。その多才さは各メディアから、今や巨匠となったロバート・ロドリゲスのデビューになぞられた。

彼女にふられ、傷心のヒョクチンをなぐさめる飲み会。 その場は大いに盛り上がり、明日、皆で江原道のチョンソンに 旅に出ようということになる。しかし、翌日、待ち合わせ場所に やってきたのはヒョクチンひとりだけ。待てども現れぬ友人たちに 連絡を取ると呑みすぎで、仕事で・・・、行けるわけがないとの返事ばかり。 仕方なく、休日になったら合流するという友人の言葉を信じ、 ひとり目的地へと向かうことにする。宿泊先のペンションは 友人が紹介してくれたところだが、知り合いだという主人はものすごく感じが悪い。
でも、隣部屋に宿泊しているらしい美人からは「酒を買ってきて」という 誘惑に満ちたポーズも。旅先の部屋で一人酒を呑みながら、 ヒョクチンは隣部屋の美女の誘惑に心が揺れ始める・・・。

ソウル芸術総合学校演劇科卒業。 多くの自主制作映画、演劇に出演。 本作が商業映画デビュー作。ノ・ヨンソク監督がインターネットのキャスティングサイトで偶然発見。じっと見ているだけで情がわく、憎めない印象を気に入り、ヒョクチン役に抜擢。

演劇映画科を卒業後、俳優として 活動開始。都市伝説を映画化した 4連作の1本「ある日突然 3番目の話 D-day」(06 日本未公開)で 映画デビュー。セクシーで、どこか 抜けた風貌、酒好きがキャラクターに ぴったりと抜擢された。


ノ・ヨンソク監督と演出学校で出会い、本作では助監督、スクリプター、キャスティングなど監督の片腕として活躍。印象が強いので、面白いキャラクターで出演させたかったという監督の希望で、本作で俳優としてもデビュー。監督デビュー作も準備中の期待株。

『殺人の追憶』『王の男』などの著名な作品をはじめとする長編、短編映画、演劇などでキャリアを重ねる。本作には妻である助監督のイ・ラニの紹介で出演。監督も経験に裏打ちされた演技力を高く評価しての起用となった。

1976年2月15日生まれ。ソウル国立大学 陶芸科卒業。中学生時代にアニメに魅了され、 映画への関心を抱き、映画監督を夢見るようになる。 映画のみでなく、大学では美術(陶芸)を専攻、 卒業後は音楽にのめりこむなど、美術、音楽への 造詣も深い。映画監督という夢を実現させるために、 多くのコンテストに脚本を応募するも、いずれも落選。 結果、自分で映画を作ろうと書き上げた脚本が、 大好きな“酒”をテーマとした本作。 本作では監督、脚本のみならず、撮影、編集、美術、 音楽、作品への声での出演までをこなすという 八面六臂の活躍。その多才さは、今やハリウッドの 大御所となったロバート・ロドリゲスのデビュー作 『エル・マリアッチ』での登場とも比較された。 現在、次回作が最も待望される監督のひとり。