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【新刊ちょいみせ!】好評発売中『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2020年版』第2弾:後唐の建国と十三太保

発売1週間で重版決定!いま大ブームの中国時代劇が、100倍楽しくなる1冊!歴史からドラマをひもとく大人気定番ガイド『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』の2020年版が現在好評発売中。

今回も、各ドラマのあらすじと解説、見どころや歴史ポイント、ドラマに関連するコラムなど、ドラマの魅力が伝わる読み物が充実!

スターのインタビューも多数掲載。全ページフルカラー、美しい作品写真に年表・地図・図版も豊富で、初めての人でも楽しみながらドラマの背景が理解できる一冊だ。

今回Cinemartではこの『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2020年版』の誌面をちょっとだけ特別公開!

第1弾「独孤伽羅と独孤一族」     2019.11.15更新
第2弾「後唐を建国した十三太保とは」 2019.11.22更新
第3弾「悪役で輝く、中国時代劇の美人女優たち」 2019.11.29更新

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好評発売中!『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2020年版』(キネマ旬報社)より





後唐の建国と十三太保
若様と晋王の複雑な関係 後唐を興した義兄弟




「晩媚と影」を視聴済みの読者の中には、謎多き〝若様?と、若様のことを「兄上」と呼びながらも不遜な態
度をとる晋王(しんおう)の関係に興味を抱いた人もいるかと思う。

単純に晋王のメイクが強烈すぎて年下に見えないという誤算(?)もあるのだが、そこはひとまずスルーして、史実における二人の関係を整理したい。




晋王こと李存?(りそんきょく)は、唐とう末に起きた農民の反乱「黄巣(こうそう)の乱」を平定した李克用(りこくよ)の息子で、後に後こう唐とうの初代皇帝となる人物だ。

一方、若様こと李嗣源(りしげん)は、ドラマの中でも武芸の達人として描かれるように、李克用の父・李国昌(りこくしょう)が率いる軍の中で年少より実力を発揮して李克用の養子となった。

年長の李嗣源が「兄上」と呼ばれながらも、晋王に仕えるのは養子であるため。




歴史背景についても触れておくと、唐王朝は「黄巣の乱」で実質的には滅んでいる。その後、李克用とともに
乱平定で活躍した朱全忠(しゅぜんちゅう)が権力争いをリードし、907年に梁(りょう)(後梁こうりょう)を建国。

李克用はその翌年に没するが、跡を継いだ李存?は梁を攻撃し続け、923年、唐皇帝(荘宗・しょうそう)を
名乗って唐(後唐)を建国した。

(中略)

劇中、李嗣源が自身を「大太保(だいたいほ)」だと語るシーンがあるが、李克用には「十三太保」と呼ばれる
13人の息子たちがいた(太保=君主の補佐役の官名)。

李嗣源は「大太保」、李存?は「三太保」と数えられ、13人のうち実子は存?ただ一人。揃って腕っぷしが強かったことから、「十三太保」イコール「腕に覚えありの江湖の男たち」というイメージがあり、さまざまな古典芸能やドラマ、映画などに登場する。

(中略)

歴史に名を残した豪傑と知って見ると、耽美メイクの若様と晋王を見る目が少し変わるかも?


文:新田理恵



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もっと読みたい方はこちらをチェック!!




『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2020年版』
好評発売中!
キネマ旬報社


【内容】
宮廷ドラマ、戦国アクション、ファンタジー、ミステリーやアイドルドラマなど、多様なジャンルの時代劇ドラマが勢揃い。
注目の3大特集は、『三国志』、清朝宮廷ドラマ、ファンタジー大作。
新作ドラマ22本! 紹介本数は新旧あわせて86本を徹底的に紹介!

早稲田大学教授・渡邉義浩先生による歴史解説に、詳しい年表や地図もついて、ドラマの舞台となる中国の歴史もよくわかる! 今回は渡邉先生の特別寄稿を2本掲載。

豪華絢爛な衣裳や美術、壮大な世界観と迫力のアクション、進化し続ける中国時代劇ドラマは必見。視聴のお供となる一冊です!


★3大特集
・『三国志』の世界「三国志 Secret of Three Kingdoms」「三国志~司馬懿 軍師連盟~」
・乾隆帝と妃たち「如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~」「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」
・スペクタクル・ファンタジー時代劇「神龍<シェンロン>-Martial Universe-」「海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎」 


★紹介ドラマ
「刺客列伝」「楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~」「蘭陵王妃~王と皇帝に愛された女~」「独孤伽羅~皇后の願い~」「大唐見聞録 皇国への使者」「華麗なる皇帝陛下【エンペラー】」「皇帝と私の秘密~櫃中美人~」「晩媚と影~紅きロマンス~」「明蘭~才媛の春~」「神雕侠侶~天翔ける愛~」「王朝の謀略 周新と10の怪事件」「笑傲江湖 レジェンド・オブ・スウォーズマン」「孤高の皇妃」「龍珠伝 ラストプリンセス」「中国古典名作選」「扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~」「花不棄〈カフキ〉―運命の姫と仮面の王子―」「如歌~百年の誓い~」「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」「萌妃の寵愛絵巻」「シンデレラ・シェフ~萌妻食神~」「寵姫の秘密~私の中の二人の妃~」ほか


★特別寄稿 渡邉義浩
『三国志』はなぜ人々を惹きつけるのか?
「キングダム」の秦・始皇帝から続く中華統一の秘密

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