【のむコレ3特集】シネマート新宿&シネマート心斎橋 W支配人インタビュー<前編> "タピオカのついでにホラー映画"
2019年11月19日 12:30
シネマート新宿&シネマート心斎橋がお届けする劇場発信型映画祭「のむコレ」も今年で3回目!両館の支配人からみた「のむコレ」そして、現在好評開催中の「のむコレ3」オススメ作品を聞きました。
<前編>タピオカのついでにホラー映画 2019.11.19更新
<後編>ジャケ鑑賞 2019.11.20更新
【シネマート新宿】中根春樹支配人
シネマート新宿歴12年!日々の劇場運営や上映スケジュールを組みたてるシネマート新宿の支配人。
【シネマート心斎橋】横田陽子支配人
シネマート心斎橋には2006年劇場オープン時から勤めはじめ、今年で12年目。好きな映画のジャンルは心に楔を打ってくるような映画。投げっぱなし映画。
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― 劇場発信型映画祭「のむコレ」は今年で3回目となりますが、支配人のお二人からみて「のむコレ」の影響を感じることがあれば教えてください。
シネマート新宿 支配人 中根春樹さん(以下、中根) シネマート新宿は、普段は韓国映画やアジア映画を多く上映していますが、「のむコレ」では洋画も比較的多く上映するので洋画好きのお客様にもお越しいただけますね。なので、「のむコレ」がきっかけで洋画好きのお客様もシネマート新宿に親近感を持って下さったらいいなと思いますし、実際にそういうことがあるように思います。
シネマート心斎橋 支配人 横田 陽子さん(以下、横田) シネマート心斎橋もそれはありますね。あと、ここでしか観られない韓国映画や香港映画を上映したりするので、アジア映画が好きで普段からシネマートに通ってくれているお客様へのサービスのような映画祭でもあると思うんです。
新しい人も来てくれるし、いつもシネマート心斎橋に来てくれる人へのちょっとしたサービス、のような映画祭だと思っています。
― 「のむコレ」では1年目と2年目で計38作品が上映されてきましたが、印象に残っている作品はありますか?
中根 ...私から言っても大丈夫ですか?......私は『ゴッズ・オウン・カントリー』です。
横田 ですよね!私もです(笑)。
中根 同時に言っても良かったね(笑)。
横田 『ゴッズ・オウン・カントリー』は強く印象に残っています。大ヒットしましたし、その後ロードショー公開されることにもなったし。「のむコレ2018」ではシネマート新宿もシネマート心斎橋も、全ての回が満席になりましたよね。
中根 そうですね。シネマート新宿では『ゴッズ・オウン・カントリー』はネット販売の開始10分で、スクリーン1の333席が完売しました。
10数年の短い歴史ですが、シネマート新宿史上初と言っても過言じゃないです。舞台挨拶やトーク付きではない、普通の上映でここまでのことが起こったのは本当に凄い。
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― 予約を開始した途端、サイトのサーバーが落ちましたよね。心斎橋もすごかったんですか?
横田 シネマート心斎橋は「のむコレ2018」での上映がたった1回だけだったのでチケット争奪戦が起きました。チケットを2日前から購入できるのですが、上映される2日前の朝、出勤したらエレベーターの前にお客さんが並んでお待ちになっていたという状況でした。
― 今年もそういった大ヒット作品が生まれるといいですね。先ほど、両館とも挙がる作品名が同じでしたが、シネマート新宿だからこの作品が人気、シネマート心斎橋だからこの作品が人気、といった劇場による違いはありますか?
中根 シネマート新宿だけでなく"新宿"という土地に言えることですが、新宿はエンターテインメント作品が好まれるように思います。
渋谷や銀座はカルチャーやアート的な作品が好まれますが、新宿はエンターテインメントを好む人が来ると思うんです。なのでエンターテインメント性の強い作品が多い「のむコレ」は、新宿という土地にもマッチしているのかなと思います。
横田 この"イケてるオヤジ映画"(※)の作品達は、まさにそうですよね(笑)。新宿だけじゃなく、シネマートらしい作品達だとも思います。
※イケてるオヤジ映画
「のむコレ」では、ベテラン男性俳優が出演していたり中年男性が活躍したりする『レイダース 欧州攻略』『スーパーティーチャー 熱血格闘』『10ミニッツ』『ポイズンローズ』などを総称して「イケてるオヤジ映画」呼んでいる。
― すごくわかる気がします(笑)。でも、その"シネマートらしさ"についてもう少し詳しくお聞きしたいです。
中根 僕の中では「エンタメ」という言葉が一番しっくりくるかな。
横田 難しいとか、前知識が無いとわからないとか、この監督の前作も観てないとわからないよね、みたいなことが必要ない。
ふらっと楽しい感じで映画を観に行って「面白かったね」って帰れる。そういう感じがシネマートらしさだと思います。
中根 心斎橋の特色を挙げるとしたら、どうですか?
横田 シネマート心斎橋は、韓国映画やアジア映画をご覧になるファンの方々が一定数いてくださるので、洋画よりも韓国映画を観に来てくれる方が明確に多いです。「のむコレ」でも、韓国映画の『The Witch/魔女』『七年の夜』『復讐のトリック』などは満席になった回がいくつもありました。とても感謝しています。
あと、シネマート心斎橋があるアメリカ村は、東京の原宿のような、タピオカ屋さんがたくさんあるような場所で。同じビルの1階にもタピオカ屋さんがあるんです(笑)。
それで最近、タピオカを買いに来た高校生や大学生ぐらいの子たちに、タピオカついでに映画も見てもらいたいと思って、ホラー映画を夕方16時ぐらいに上映しています。
― 高校生来ますか?
横田 『チャイルド・プレイ』や『貞子』を上映した際はすごいたくさん来てくれました。タピオカを買ってそのまま4階のシネマート心斎橋にきて映画も観たという子たちが増えたので、この枠を利用しない手はないと思って。いま色々試しにやっている感じです。
― 先ほどの「ふらっと楽しい感じで映画を観に行って「面白かったね」って帰れる」という、まさにそういう機会になっていますね。
横田 他のことが目的で来たけどついでに映画観て帰ろう、ぐらいの気持ちの人も楽しめたらいいなと思っています。今は『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を上映(※インタビュー実施の9月末時)していて、高校生よりは少し上の大学生が来てくれていますね。
― 彼らはどこから情報を得て、シネマート心斎橋に映画を観に来るようになったんですか?
横田 すでにシネコンで上映されていた作品なので、作品自体はテレビCMとかで知ってはいて。でも「この作品はどこで上映しているか?」ということまでは調べていないと思うんです。
多分タピオカ買いに来た時にたまたま「ここの上の階でやってるらしいで」みたいになって、来てくれた印象です(笑)。なので、事前にネット予約したりは全然なく、急に来て観ていくという人が多いですね。
― そこから映画への興味が広がって、映画館に通うようになってくれると嬉しいですね。
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「のむコレ3」
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