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こんにちは。エスピーオー宣伝スタッフYです。
ここ数年そんなに寒くない冬を過ごしていた東京では、20センチ以上の積雪や、48年ぶりの芯から凍えるような寒さになったり、真冬をたっぷり感じている日々が続いています・・・。

そんな寒さの中で、今日ご紹介するのは、作品ごとにそのイメージが変わり、見事に様々な役柄を演じきる"カメレオン俳優"ソル・ギョングと、TVドラマでの活躍から日本にもファンの多い俳優キム・ナムギル競演のクライムスリラー『殺人者の記憶法』です。

約2時間、一瞬も目が離せないほど映画の世界に引き込まれていました。観終わった後もしばらくその余韻が抜けなくて、寒気を覚えるほどだったのに、今レビューを書くために振り返ってみると、"怖さ"や"寒さ"だけじゃない、"何か"が残る不思議な作品でした。
ソル・ギョング演じるアルツハイマー病を患っている元連続殺人鬼のビョンス。病が進行していく中で偶然にも接触事故を起こし出会ったキム・ナムギル演じる謎の男テジュ。この2人の出会いから物語は目まぐるしく展開していきます・・・。

一番強烈な印象を残しているのはソル・ギョング、そしてキム・ナムギルです。
ソル・ギョングが演じたビョンスはこれまでの彼の印象からするとかなり、いや別人かと思うほど年老いて見えることに驚きました。あとで調べてみると、彼はこの作品でかなり痩せて首に皺を作り、老けて見せたそうです。元殺人鬼としての演技、そしてアルツハイマー病患者としての演技、人より遅れてユーモアを感じるという演技、どれをとっても個性的で独特なのですが、どこかにリアルさがあって、さすがのカメレオン俳優ぶりでした。演技力だけではなく、その存在感が半端なく、彼の表情がいまだに脳裏に浮かぶほど強烈な印象を残しました。

そして、キム・ナムギルです。彼は新たな殺人鬼という役柄だったのですが、一見するとイケメンで穏やかで善良そうに見えますが、その陰にある恐ろしい一面を、チラチラと見せる表情が凄かった・・・。
正直、ブランクのある"殺人鬼"と現役の"殺人鬼"がこれほど違うのかというくらい、テジュが見せる表情は、思い出すだけで今でも背筋が凍りそうになる感覚を呼び起こします。キム・ナムギルは私も大好きな俳優で、その演技が毎回楽しみではありますが、しばらく"殺人鬼"の役は受けないで欲しいと思ってしまうほどでした。

ビョンスは獣医で一人娘がいるのですが、その娘が何ともピュアでいい子なんです。可愛くて、明るくて、優しくて。
大好きな父親がアルツハイマーの症状が進行していくのを心配して、日々の"出来事"を記録するため録音機をプレゼントしたりして、そばで懸命に世話を焼いています。この父娘のほんわかするやり取りは、かなり明るい気分にもさせてくれましたが、だからこそ余計にその"あったかさ"が徐々にスパイスのように効いてきました。

ビョンスは元連続殺人鬼だと言いましたが、17年前で殺人はストップしています。きっとこのピュアな娘が傍にいたおかげなのかもしれません。そんな風に平穏に暮らしていたビョンスでしたが、17年もの間眠っていた"殺人鬼"としての嗅覚が、偶然出会った謎の男テジュの目つきから"殺人鬼"の匂いをかぎ分け、自身の"殺人鬼"としての感覚を呼び起こしていきます。
自分に関係ないのであればまったく気にならなかったはずですが、大切な娘が危ないからと警察に通報することに。でも、まったく取り合ってもらえない。逆に、テジュは娘の彼氏として再びビョンスの目の前に現れることに・・・。ほんとに考えただけでも恐ろしいです。

警察も何もしてくれないのであれば、自分が娘を守らなければと、テジュを一人で捕まえようと画策するビョンスでしたが、ここで邪魔をするのがアルツハイマーの症状・・・。絶妙なタイミングで記憶が途切れ、また振り出しに戻るということを繰り返し、徐々にビョンス自身も混乱していきます。その中で起こる新たな殺人事件。混乱するビョンスとともに観ている方もだんだんと混乱の渦の中に吸い込まれていき・・・・。

これ以上はネタバレになってしまいそうなので、ここまでにしておきますが、書きながら、私もまだ混乱しているのかもしれないと思ってしまいました。大人気小説が原作とのことですが、原作パワーだけではないたくさんの凄さを感じた作品でした。
この巧妙に仕組まれたような混乱を引き起こしているのは、原作や俳優たちの演技だけではなく、監督の手腕もきっとあるのではないでしょうか。

ちなみに、ビョンスとも親しい(ように見えましたが)警察署長の役を演じているオ・ダルスは、多くのヒット作へ出演して、映画にスパイスを効かせる超特急助演俳優のひとり。彼がいるだけで少しだけほっこりしたから不思議です。

個人的には翻訳本が出ているという原作小説を読みたくなったこの作品。クライムスリラー好きなら必見です!
まだまだ寒い日が続きますが、映画館の中は暖かいので、安心して背筋を凍らせてみてはいかがでしょうか――。

映画『殺人者の記憶法』は本日1月27日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国公開です。

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▽『殺人者の記憶法』予告編

<CAST>
ソル・ギョング/キム・ナムギル/キム・ソリョン(AOA)/オ・ダルス

<STAFF>
監督:ウォン・シニョン『サスペクト 哀しき容疑者』『セブンデイズ』
脚本:ファン・ジョユン『王になった男』『オールド・ボーイ』
原作:キム・ヨンハ
撮影:チェ・ヨンファン『国際市場で逢いましょう』『ベルリンファイル』
音楽:キム・ジュンソン『ザ・テノール 真実の物語』『マルティニークからの祈り』

2017年/韓国映画/カラー/118分
配給:ファインフィルムズ

(c) 2017 SHOWBOX AND W-PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
公式HP:http://www.finefilms.co.jp/kiokuho/

エスピーオー宣伝スタッフY
韓国映画・韓国ドラマを好きになってから16年以上
時代劇からラブコメディまでジャンル問わず全般的に観ている

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