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好評不定期連載中の「【韓流お仕事図鑑】あなたのもとに韓国ドラマが届くまで」。韓国ドラマを日本のお茶の間に届ける過程に携わる人たちにインタビューをしていく【韓流お仕事図鑑】です。

連載第6回目の今回は、特別編!韓国"映画"をお届けする仕事<劇場の編成>に迫ります。
お話をお伺いしたのは、シネマート新宿/シネマート心斎橋の編成を担当し、「のむコレ」の中心人物でもある野村武寛さんです。
映画館にかける映画を選ぶなんて夢のようなお仕事!と思いきや...一人でも多くの人に映画を届けるために日々奮闘する、ハードなお仕事でした。


<プロフィール>
野村武寛(シネマート新宿/心斎橋:編成担当) 
大阪府八尾市出身。シネマート新宿/心斎橋の上映作品のセレクトを担当し、数多くのアジア映画をファンに届けてきた男。今までに見てきたアジア映画・邦画・洋画は数えきれないほど。また、定期的に東京/大阪で韓国映画のトークイベントを開催。関西弁での軽妙のトークは毎回好評を博している。
※今回のインタビューも、ぜひ関西弁でイメージしながら読んでみてください。


第1回 「映画を獲得するのは...大変!」:2017.10.25更新
第2回 「毎週土曜日はドキドキしてる」:2017.10.26更新
第3回 「のむコレの野望」:17.10.27更新

「のむコレ」公式サイト http://www.cinemart.co.jp/nomu-colle/


===================

― これ意外と知られていない話なんじゃないかと思うんですが、「映画を買う前から配給会社から相談が来て、買った後は一緒に育てていく」っていう話がありましたけど。

そう、韓国映画はそうだね。


― きっと、配給会社が映画を買い、配給会社が宣伝を頑張って、劇場は上映するだけ、というイメージを持たれてる方が多いじゃないかなと思うんです。

意外と映画館の編成の人も、宣伝の段階から関わってるよ。

例えば、まだ情報が出せない某韓国映画とかは、どうしてもシネマートで上映したいと思ってるから、「うちやったら、こんな風に宣伝して上映して、これだけ利益あげれるから」って配給会社の人に電話で話したりしてる。とにかく熱意を伝える。

それでもし上映が決まったら、宣伝会議を重ねる。
初日を迎えて、もし集客があんまりやったら、「じゃあどうしていきましょうか?」ってまた話し合う。


シネマート新宿(6F・7F)につながる1Fエントランス
ここには上映中/上映予定の作品ポスターが掲載されている。


― 映画の宣伝会議に、編成担当も出席する?

僕はでる。絶対にでる。
しかも、もの凄い言う。あーでもない、こーでもないって。だから、凄い嫌がられると思うけど(笑)。


― どのぐらいのタイミングから、宣伝にも関わるんですか?

韓国に関しては、「前売り券こういう形で売りましょう」「こんな風に宣伝してください」とか。
実はつい先日の釜山国際映画祭で配給会社の方たちが映画を買ってきたので、すでにもうそんな話をしてるよ。


― つい先日行われた釜山映画祭で上映された映画の、すでに前売り券の話まで出ているという事は...
シネマートの上映プログラムはすでにかなり先の時期まで決まっている?

うん。来年の上映プログラムほぼ決まってる。


― もうですか!?はやい!

そうじゃないと。強い作品を獲得していけないから。


― ほんとに競り合いですね...

でも「韓国映画はシネマート」っていうイメージもあるし、配給会社の方も、最初にうちに話してくれるけどね。

たまに違う劇場で韓国映画がかかるときもあるよ。
まあ、その時は配給会社の人に「なんであの作品渡しちゃったんですか~!」って言いに行く(笑)。


―あはははは!

編成はその1人のキャラで立っていかないと。
シネマートだったら僕の顔、っていう風に配給会社の方の頭にすぐ浮かんでもらうようにならないと。
「野村さんなんや。じゃあ―」っていうところで決めてもらう。


シネマート心斎橋

― という事は、編成の方が変わると、劇場のカラーも変わる。

変わる変わる!すごい変わる!


― 面白い。ほんとうに"人"に左右される仕事ですね。

でも嫌なことも、難しいことあるよ。仕事だから仕方ないけど。

向こうが出して欲しい答えを必ずしも出せない時もあるし。
「それは絶対違うけど言えないなぁ、こんなに集客できないだろうし。でもこの作品上映したいし...」って時もある。
しかも、結果がだめだったら支配人じゃなくて僕に言われるから。

だから毎週土曜日(=公開初日)はドキドキしてる。
劇場の利益も、作品の利益も上げないといけない。どうしたらいいかな、って常に考えてどよ~んとしてる(笑)。

― お伺いしていると、すごいギャンブラーな感じ...。もちろん今までの経験値や数字に基づいてはいるんですが。

雨降ったら来ない。雪降ったら来ない。天気だけじゃなく、電車の遅延一つでも、初日の入場者数が変わっちゃう。
だから初日は雨が降ると凄いショック。


― では、そんな大変な"編成"のお仕事ですが、野村さんが思う"編成"に向いている要素ってあったりしますか?

それは、それぞれだと思うね。
僕はこのキャラクターだからぐいぐい言っちゃうし、このキャラクターだからこそ信用してもらってるって思う。

でも、アピールできる能力はとても必要だと思うし、誠実なこともとても大切だと思う。
たくさん映画を観ている、ってこともやっぱりすごく大切。
その時その時、その劇場のカラーに合う人が編成になるんじゃないかな。


シネマート新宿


― では、編成の仕事で嬉しいことと、辛いことはなんですか?

ヒットしたことと、ヒットしなかったこと。
どんなに過程で頑張っても、結果だから。結果を受け入れなきゃいけないでしょ。
ああしたから、こうしたからって話は出来るけど、でもそれって言い訳にしかならないから。

ヒットしたか、しなかったか。それだけ。
どれだけ頑張っても、結果が悪かったら、配給会社さんにもすみませんってなるし、劇場にも被害がでるし。

大ヒットして、お客さまがたくさん来たらすごい嬉しいね。
お客さまが来なかったら、「どうしよう~!」って感じ。



― ギャンブルなんだけど、その賭けには、劇場も配給会社もかかってるんですね。

そうそう。特に劇場はかかってるよね。
ダメだったら、グッと収益は変わっちゃうし。マイナスが出たら会議とかで「編成のミスです、すみません」って謝る(笑)。
ヒットしたら「支配人のおかげ」やねん。アカンかったら「編成のせい」やねん(笑)。

― 辛い...!

うちの会社はそんなことないよ!
でも大抵、編成ってそう。今月の数字良かったね、って言われるのは劇場だし、今月ダメだったねってときは、編成が話をするわけだから。

― ほんとうに大変な仕事ですね...

大変だけど、自分しか出来ないって思うし、その後はこのキャラクターで進むしかない。

― では、そんな野村さんの"編成"でのこだわりってなんですか?

お客さまと話すということ。お客さまが一番情報を持ってるから。
だからいつもお客さまに相談する。とくに韓国映画に関しては。
もうお客さまの声が一番信頼できるから。もちろんそれぞれのファンの方のお一人からでる圧がすごいけど(笑)

― どういう風に相談されるんですか?

「この人どう思います?」とか。

― え?劇場に来てるお客さまに?

うん。「なんのドラマ見てます?」とか「なんでうちの劇場来てくれたんですか?」とか。
じゃないとわかんないでしょ。

― たしかにそれが一番確かな情報ですよね。

だから常にお客さまに聞く。

面白かったのが、お客さまから「この映画を上映して欲しい」って言われたことがあって。
「イ・ジュンギが良い!」って。
でもその時は「イ・ジュンギのファンの方なんだろうな」ぐらいにしか思ってなかったの。

それで後日、買い物してる時にお店の人と映画の話をしてたら、その人がイ・ジュンギの話をして。


イ・ジュンギさん
「朝鮮ガンマン」「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」などのドラマから、『フライ・ダディ』『バイオハザード ザ・ファイナル』など映画でも活躍する韓国の人気俳優。

― お買い物というのは?

映画とか全然関係ない、晩御飯の準備、休みのときは僕がご飯つくるので...。
だから「こんなところでイ・ジュンギが出てきた~。イ・ジュンギ凄いなぁ」って思って。

それで僕、一回り上の女性のお友達がいて、その方も「最近イ・ジュンギの作品見てんねん」って言ってて。
その時、点と点が線になった。「イ・ジュンギっていけんねや!」って。
それで、配給会社の方に「イ・ジュンギいけますよ!」って映画を買ってもらった。

― その作品名って教えてもらえますか?

『シチリアの恋』。
沢山のファンの方に来ていただけたし、お客様にはとても喜んでもらえました。

だから、常にいろんな人と話して情報を聞く。
「誰が好き?」とか「KPOPやったら?」とか、そういうことは常に聞いてる。

― 買ってもらえるかは分からないけど、熱いファンの方は野村さんを見つけたら「これ買って欲しい!」って伝えるといいってことですね!

そう!いつも言われるしね。
でも、買うかどうかは分からんよ(笑)。

― そもそも、野村さんってこの"編成"のお仕事に就いたきっかけはなんだったんですか?

僕シネマート心斎橋で勤める前に、もう無くなっちゃったんだけど、ある京都の映画館で働いてて。
その劇場、かける作品が全然無くて。そうすると、みんなのモチベーションも下がってきちゃって。
でも、上司は「別になにもしなくていい」って。

でも、僕それが一番苦手で...だから勝手に東京に新幹線で行って。



― え?自腹で?

うん、自腹で(笑)。
それで、東京の配給会社を回って、「京都のこういう劇場なんですけど、この作品上映させてください」ってお願いして。
そうやって、上映作品を決めていったのね。もう15~16年ぐらい前。

実は、その時に対応してくださった人たちが、いまトップで活躍されていて。
バリバリの第一線にいるから、すごい作品をシネマートにオファーしてくださるし。
だからすごく助かってるし、感謝してる。

僕も、その時に作品を上映させてくれた人たちのお願いは絶対に断らなかったりする。
それがよくなかったりもするんやけどね(笑)。



― ほんとに義理人情の世界ですね。

そうそうそう。やっぱり人だと思うし。
「この人がヒットさせてくれた」とか「この劇場でヒットできた」っていう感触を配給会社さんも持ってると思うから。
映画館は作品の上映オファーをもらえなくなったら終わりだから。
常にドキドキしながら「ヒットさせないと...ヒットさせないと...」って思ってる。


シネマート心斎橋 ロビー

― 常にプレッシャーじゃないですか?

毎回毎回ほんとにしんどいし、常に怒られてる(笑)。

― つらい...!つい映画ファンからすると、編成って自分でかけたい映画を上映できて、凄い楽しい仕事じゃん!って思っていましたが...

ね。

<第3回へつづきます>

==============

10月28日よりシネマート新宿/シネマート心斎橋にて
「のむコレ」開催!

シネマート新宿/心斎橋の番組編成担当・野村が、世界各国の注目作品を集めた新たな企画をスタート!
その名も"のむらコレクション"...

略して<のむコレ>。

ラインナップには...アジア映画に強いシネマートらしく
中国で記録的大ヒット中『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』や、
つい先日主演コン・ヒョジンが黄金撮影賞・最優秀主演女優賞を獲得し注目を浴びる『女は冷たい嘘をつく』
『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョン主演最新作『大好きだから』など、中国/香港/韓国の話題作が多数名を連ねます!

アジア作品以外にも...
『フェリシーと夢のトウシューズ』のエリック・サマー監督が手掛けたパニック・アクション『タワーリング・ダウン』
『REC/レック』の監督による最恐の最新作『エクリプス』など、
日本では今回が劇場初公開となる要チェックなレア作品が目白押し!

詳細は、「のむコレ」公式サイトへ! 

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