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【インタビュー】「ミセン」イム・シワン 「あぁ...狂った人たちだ」 #3




★★今までの「インタビュー(韓国)」はこちら★★



現在、Dlifeで放送中の「ミセンー未生ー」。

韓国でも社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを起こし、韓国だけでなくアジアのドラマ賞を軒並み受賞した本作。日本でも、東京ドラマアウォード2015で海外作品特別賞を受賞、リメイク作品(『HOPE?期待ゼロの新入社員?』 )まで制作されました。

今回は、Dlifeでの放送に併せ、主演のイム・シワンさんのロングインタビューを掲載!
あの名シーンの裏側や、俳優イム・シワンさんにとって「ミセン―未生―」がどのような影響を及ぼしたのか、など深いところまでお話しをお伺いしているので、これからご覧になる方はもちろん、「ミセン」ファン、イム・シワンファンの方にも超必読です。

※まだドラマをご覧になっていない方は、#2に一部ネタバレの箇所があります。ご注意ください。
※インタビューは2015年に実施されたものです。

#1:2017.2.21更新
#2:2017.2.22更新<一部ネタバレがあります>
#3:2017.2.23更新

★「ミセン-未生-」公式サイトはこちら
★Dlife「ミセン-未生-」作品ページはこちら

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― チャン.グレの役を演じながら、自分自身に何か変化はありましたか?


頭ではなく、まずは心で近づいて行こうとする努力をする様になりました。

私の元々持つ性格と、チャン・グレと唯一違う部分は、私は理性が先に来るタイプなので、感情よりも理性でまず動いてしまうんです。

けれどもチャン・グレは仕事に関して、もちろん実力は足りませんが、人の心を動かす感性的な部分があるんです。チャン・グレは理性より感性が先にでてくるタイプなので、その部分をまねる為に演じる時もそうですが、理性より感性を先に出せる様にたくさん努力しました。

また、そんな人生を生きてみるのが、いま以外にこんな機会があるのだろう?とたくさん考えもしました。ひたすら心だけで動く、そんな人になる為に努力しました。




― 記憶に残っている名場面、名台詞はありますか?


「ミセン」ではとても多かったです...。
1つ2つしか無かったならすぐに選ぶ事が出来るんですが、本当たくさんあるので。何を選べば良いのかとても難しいです。

今思い出せるのは、キム代理が私にした話もそうですし、「おれたちは成功とか失敗ではなく、死ぬまで扉を開け続けていくんだと思う。」という言葉。人生は最後にたどり付くまで終わりでは無いという話なんだと思います。

胸が痛かった台詞で覚えているのは、オ課長の友達ビョン・ヨンチョルを接待するシーンの台詞ですね。友達であるビョン・ヨンチョルがオ課長に「私は自分が酒を飲みたい時に飲むが、お前は人が飲みたい時に飲むよな」と言った時、とても胸が痛かったです。
幼い頃、酔っぱらって帰ってくる父をあまり良く思っていませんでした。ですがこの台詞を聞いてから「あの時、うちの父親はどうだったんだろう?」と考えてしまいます。

あと、オ課長の先輩の台詞の「会社は戦場だが、外は地獄だ」ですね。
いま自分が置かれた状況が悪いと思ったけれど、この巣を出た瞬間さらに地獄が待っていると言う事じゃないですか!その言葉が「現実を認め満足し生きなければならない」と言うメッセージになるとも思います。

ほかにも本当に思い出の様な言葉がとてもたくさんありましたね。





― 人間イム・シワンを一番良く説明出来るワンシーンを上げられますか?

一番グレらしいと思った部分は1話の塩辛のシーンですね。塩辛のシーンは完全に屈辱をうけて、その上インターンの仲間にもからかわれて裏切られ、結局は一人取り残されてしましたよね。それにもかかわらず顔に出さない。
胸の内はメラメラと怒っていても...。

その直後、オ課長とほかのインターン生に会って。グレは、顔を赤らめたり怒ったりする代わりに「今日、僕が出来なかった課題を戻ってやります」と言って振り返り、自身の心を強く固める姿がとてもチャン・グレらしいと思いました。

「必ずやってみせるぞ!」と誓い実際にやろうとする姿が、出来ない事でもやってみせようと最後まで努力する姿が、チャン・グレの姿をちゃんと表現してくれる様に思いました。




― 撮影が終ったときどんな気持ちでしたが?

チャン・グレとして生きて来た数カ月をもう整理する時が来たな~と。撮影が終わる少し前から見送る準備をしていました。私とチャン・グレを切り離す準備を。


― 「ミセン-未生-」に出演して得た物と失った物はありますか?

失った物はありません。得た物は数知れず多いです。チャン・グレとして生きる機会を得ましたし、この素晴らしい作品で素晴らしいスタッフの皆さんや素晴らしい俳優陣と共に演じる機会を得ました。

得た物はこの上なく多いと思います。




― 「ミセン-未生-」への出演前と後で変わった点などありますか?

私をチャン.グレとして認識して下さる方が多い事かな?それが一番大きく変わった点だと思います。


― 撮影を通じてスーツ姿には慣れましたか?

スーツはほんとうにたくさん着ましたが、実は最初に着ていたお父さんスーツが一番愛着ががわきます。あのお父さんスーツが一番チャン・グレらしいと思うんです。なので、お父さんスーツを脱いだ時、あまりにも早く脱いでしまった様で残念な気持ちでいっぱいでした。






― 撮影も終え、チャン・グレから離れ...今後も俳優イム・シワンとして活躍されると思いますが、いまどんな心境ですか?


私がこの撮影をしながら一番多く感じた事は、私は今まで自分がチャン・グレだったので共感を得られたのだと思っていました。

でも重要なポイントは、私がチャン・グレだったからではなく、チャン・グレを見てらっしゃった皆さんがチャン・グレだったからだと気が付きました。だから、共感を得られたのだと。

なので、私はチャン・グレを演じた人間であり、これからは現実の中でチャン・グレである方を応援する人間になるんだと思います。恐れ多くも「私がチャン・グレだった」と言うことも、実際にチャン・グレである方にとても申し訳ない話なのだと思います。





― シワンさんにとって一言で「ミセン-未生-」とは何でしょうか?


「ミセン(未生)」は完生である。再び出会うのは難しい作品。


― 俳優イム・シワンがチャン・グレに一言いうなら?

私が演じて来たチャン・グレの生き方が決して正解だとは言えません。
ですがチャン・グレの、自分が生きる理由を猛烈に探して行く姿が一方では感心に思い、一方では不憫にも感じて...。

なので抱きしめてあげたい人だと思います。
もしチャン・グレに会えたなら、一度抱きしめてあげたい気持ちが大きいです。




― 「ミセン-未生-」をご覧になる皆さんに一言お願いします。

「ミセン」に感心を持って下さった皆さんに、本当に感謝の言葉をお伝えしたいです。
あと、現実のチャン・グレさんたちに申し上げたいです。これ以上苦しまないで、と言いたいのですが...。それより、この「ミセン-未生-」を通して言いたい重要な事は、あなただけが辛いのではなく、大多数の方がそんな苦しみを持っているんです。

だから私たちはお互い抱きあいながら、お互いの為に一生懸命生きていけたらと思います。
お互いファイト!




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「ミセン-未生-」予告編





「ミセン-未生-」DVD情報

DVD-BOX1&2 発売中
価格:各12,500円+税
発売・販売元:エスピーオー

(C)CJ E&M Corporation,all rights reserved.

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