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シネマートで今やってます。vol.12 『男と女』

こんにちは。エスピーオー宣伝スタッフYです。
今回はシネマート新宿・シネマート心斎橋にて好評公開中の『男と女』レビューです。

この作品はカンヌ女優のチョン・ドヨンと、久々のラブストーリーとなるコン・ユという豪華2大スター共演の話題作です。私も楽しみにしていて、ポスタービジュアルや予告編映像の時点で、もう既にその世界観に魅了されつつありました。フィンランドの白く舞う雪の美しい幻想的な背景が2人の美しさをより際立たせていましたね。

そして、実際に全編観た感想はというと、「やられた~」という感じです。観終わってからずっと余韻が残っています。本当にやられました。できれば一人でも多くの人にこの作品を観てもらいたいので、ネタバレしないように気をつけてレビューを書かせていただきます。

この映画を一言で言うと、"孤独な男女の禁断の愛の物語"です。でも、それだけでは言い表すことができない何かが確実にあったように思います。美しい男女の話なので夢物語とも言えそうですが、リアルで、そして痛いほどその男女2人の心理描写が胸に刺さりました。

きれいな夢物語ではなく本当にリアルに受け止められたのは、演出や脚本の力もあるかと思いますが、きっと2人の素晴らしい演技力のためかと思います。クールな中に心情の変化や、心に宿った激情などをとてもきめ細やかに表現していたチョン・ドヨン。昔から大好きな女優さんですが、大人になってより魅力が増してきている気がします。そのはっとするような美しさも健在でしたが、後半、彼女の繊細な演技に今回もたくさん泣かされました...。

そして、正直惚れてしまいそうになったコン・ユの演技も本当に良かったです。久々のラブストーリーで大人の恋。ファンには堪らない内容だと思いますが、私が惹かれたのは、単なるかっこ良さとは少し違っていたと思います。今回のコン・ユが演じた役は弱って傷ついている男、曖昧でどっちつかずで、でもとても純粋な男という印象で、私にはその少し弱い部分が愛おしく感じられました。そんな少し母性本能をくすぐられる大人ピュアな男性に、こんなにストレートに求められたら恋せずにはいられないですよね。

そんな2人の出会いは先ほども出てきましたがフィンランドになります。雪という寒そうな中での出会いがより2人の孤独感とか心の冷え切った感じなどを際立たせていました。偶然出会った2人が雪の中、言葉少なめに行動を共にし、その流れで本当に自然に体と心を温め合うことになります。出会いは偶然でも、その後の気持ちの流れは本当に必然で、恋に落ちるのが自然なこととしてスッと入ってきました。その後、2人がソウルで再び出会い、その心にさらに火がつきます。そして...。うーん、これ以上の物語を言ってしまうとネタバレになるので、もっと書きたいですが、ここまでとしますね。
最初は少し俯瞰的に観ていたのに、どんどんどんどん物語の中に引き込まれ、チョン・ドヨンやコン・ユの心情に呼応するかのように胸を熱くし、傷ついて...、何度も書きますが、この作品、本当にやられました。

韓国映画ファンだけでなく、ヨーロッパ映画や大人のラブストーリーがお好きな方にもぜひ観て欲しい一作です。

そして、最後のシーン、2人の感情が抑えても溢れてくる繊細な演技に、その表情に注目してみてください。きっと貴方も2人に、そしてこの映画に魅了されるはず...。

『男と女』はシネマート新宿・シネマート心斎橋にて本日2/4(土)公開。



監督:イ・ユンギ(『愛してる、愛してない』)
出演:チョン・ドヨン(『シークレット・サンシャイン』『メモリーズ追憶の剣』)
コン・ユ(『トガニ幼き瞳の告発』「コーヒープリンス1号店」)
パク・ビョンウン(『恋愛の温度』)、イ・ミソ(『セシボン』)
2016年/韓国/115分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:???/配給:クロックワークス
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公式HP:mw-movie.com

エスピーオー宣伝スタッフY
韓国映画・韓国ドラマを好きになってから15年以上。
時代劇からラブコメディまでジャンル問わず全般的に観ている。

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