シネマートで今やってます。Vol.11『太陽の下で -真実の北朝鮮-』

こんにちは、エスピーオー宣伝スタッフのJです。
今回は『太陽の下で-真実の北朝鮮-』のレビューをしていきます。

―あらすじ―
8才のジンミは模範労働者の両親とともに平壌で暮らしている。ジンミは金日成の生誕記念「太陽節」で披露する舞踊の練習に余念がない。エリートの娘を持った両親は仕事仲間から祝福を浴び、まさに "理想の家族"の姿がそこにはあった。ところがドキュメンタリーの撮影とは名ばかりで、"北朝鮮側の監督"のOKが出るまで一家は繰り返し演技させられ、高級な住まいも、親の職業も、クラスメイトとの会話も、すべて北朝鮮が理想の家族のイメージを作り上げるために仕組んだシナリオだった。憤りを感じたスタッフは、撮影の目的を"真実を暴く"ことに切りかえその日から、録画スイッチを入れたままの撮影カメラを放置し、隠し撮りを敢行するが...。

ジンミちゃんが心配。

人の「素顔」をふと観ただけで、こんなに悲しくなってしまう作品は初めてでした。
改めてどれだけ自分が恵まれた環境にいるかがわかります・・・。

基本、正式に北朝鮮が撮影させてくれるのは全て演出。
だからそこに「素顔」は無いはずでした。

家族の食事の風景に始まり、学校の授業の風景、家族の両親の仕事の様子など、政府から正式にカメラに収めて良いと言われているのは全て演出仕込み。台本ありの。ドキュメンタリーなのに話の展開も政府が決めていて、「ジンミの友人がケガするが、入院して高度な治療を受けて直る」とか強引な展開含め全て展開が決められていて、おじさんがいちいち演出に入る(演出は割と優しい)。場所も人も出来事も。「ドキュメンタリー撮らせてくれるって言われたのに、全然違うね!」と監督が怒るのも納得です。

ただ、そういった政府に演出された映像だけ観ていても、ワイドショーで流れる北朝鮮のニュースと何が違うの?ということになります。この作品が一味違うのは「作られていない」、人々の「素顔」の部分を隠し撮りでしっかり収めているからです。

エリート集団「少年団」に入団したジンミちゃんが、厳しい訓練についていけず思わず流す、一粒の涙。学校で反日教育をする先生の授業中に退屈そうな顔をしているこども。政府高官(のような人)の演説中にあくびしているこども。こどもだけではありません。マスゲームの最中に疲れた顔をしている大人の姿。

北朝鮮を収めた今までの映像では感じ得なかった、映し出された人たちへの「
同じ人間なんだ」という共感・実感があるのが、本作で一番衝撃的なところでした。

共感できるのが「笑顔」だったら良いのだけど、見える「素顔」がほとんど「負」の部分だけというのが非常に悲しいところ。

映画の最後、監督はジンミちゃんにある質問をします。
うまく答えられない彼女。そして再び見せる、涙。
そして監督は再度質問をし、彼女はそれに答えますが・・・

彼女の純朴な「素顔」が観られる瞬間であり、それが失われるこの場面は悲しすぎました。

彼女の涙から、何か感じてみませんか。

最後に、もう一度。
ジンミちゃんが心配。


『太陽の下で-真実の北朝鮮-』はシネマート新宿・シネマート心斎橋にて公開中。

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『太陽の下で-真実の北朝鮮-』
監督・脚本:ヴィタリー・マンスキー、撮影:アレクサンドラ・イヴァノヴァ、編集:アオドレイ・ペパルヌィ、音楽:カルリス・アウザンス、プロデューサー:ナタリア・マンスカヤ  出演:リ・ジンミ 2015年/チェコ、ロシア、ドイツ、ラトビア、北朝鮮合作/110分/カラー/原題:V paprscích slunce  字幕翻訳:崔樹連  配給:ハーク 
© VERTOV SIA,VERTOV REAL CINEMA OOO,HYPERMARKET FILM s.r.o.ČESKÁ TELEVIZE,SAXONIA ENTERTAINMENT GMBH,MITTELDEUTSCHER RUNDFUNK 2015
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Text:J(エスピーオー宣伝スタッフ、20代男性)
映画が好きで映画館には毎週通っています。
韓流はじめアジアドラマ歴は入社後から見始めたので約2年半。
2017年の目標はボルダリングのアマチュアコンペ出場。

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