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シネマートで今やってます。vol.8 『愛を歌う花』

こんにちは。エスピーオー宣伝スタッフYです。
今回はシネマート新宿、シネマート心斎橋にて好評公開中の『愛を歌う花』のレビューです。



『ビューティー・インサイド』の愛らしいヒロイン役も記憶に新しい、日本にもファンの多い女優ハン・ヒョジュ、話題作への出演が続く演技派女優として定評のあるチョン・ウヒ、2016年以降トップ女優との共演が続くユ・ヨンソクの共演で公開前より話題となった本作。
あまり事前知識を入れず、まっさらな気持ちで観てきました。

~あらすじ~
時は1943年、京城唯一の妓生養成学校。ずば抜けた美貌と優れた歌唱力で最高の歌姫と称されるソユル(ハン・ヒョジュ)と、心に響く天性の歌声を持つ幼なじみのヨニ(チョン・ウヒ)は、作曲家ユヌ(ユ・ヨンソク)から一目置かれ、同期の羨望を受けるかけがえのない親友同士だった。作曲家として最高峰の実力を誇るユヌは民衆の心を癒やす「朝鮮の心」という歌を作曲する矢先、ヨニの歌声にいつしか魅了されていく。ユヌの曲を自分のものにし、歌手になることを夢見るソユルは次第に嫉妬心が芽生え始め、3人それぞれの運命が狂い始めていく――。


一言で言ってしまうと、泣きました。泣かされました、ハン・ヒョジュに...。
エンドロールで、拭っても拭っても、涙がこぼれてしまい、まだ明かりがつかないで欲しいと心の中でつぶやいていました。私はおそらく他の方に比べて涙腺が弱いほうだと思いますが、周りを見渡すと同じような方がチラホラ見受けられたので、涙したのはきっと私だけではないはずです。



今回ハン・ヒョジュが演じたのは、天性の歌声と美貌を併せもつ妓生ソユル。これまで「愛され系ヒロイン」「まっすぐな正義感の強いヒロイン」など清純で正統派ヒロインのイメージが強い彼女とは違う、いろんな表情を魅せてくれた役柄でした。『監視者たち』の際にも感じましたが、改めてハン・ヒョジュの振り幅の広さには驚かされます。



ソユル同様に愛らしさと天性の歌声をもつチョン・ウヒ演じるヨニとは幼なじみで唯一の親友。チョン・ウヒは『ハン・ゴンジュ17歳の涙』での繊細な演技が個人的にとてもインパクトがありましたが、その時とは同一人物とは思えない程、天真爛漫で愛らしさを持つ魅力的な女性を好演していました。



そんな2人から愛されることになる才能あふれるイケメン人気作曲家ユヌを演じたユ・ヨンソクも、これまでの役柄より大人っぽい演技で2人の美女を惑わす罪な役柄を魅せてくれていました。



この作品の原題は「解語花」という、人の言葉を理解する花と書き、美しさと強さ全てを持つ女性という意味を持つものなのですが、序盤のソユルは本当にこの意味そのままの清純で品があるヒロイン像で、ハン・ヒョジュだからこその透明感で魅せてくれていました。それが徐々に嫉妬と欲望にかられていくヒロイン像へと変化していくのですが、そこが本当に惹きつけられました。



愛するがゆえ、ユヌと結ばれることを心待ちにしていましたし、彼の唯一の歌姫になりたかった。そんな彼の歌を歌う親友が憎くて、でも愛しくて、少しずつ歯車が狂っていく...。そんな難しい感情の流れをハン・ヒョジュが本当に魅せてくれていて、その感情の流れに呼応するかのように随所で涙が溢れてきてしまいました。



そして、その感情の流れを本当にうまく表現してくれていたのが、劇中のソユルとヨニの歌声です。ソユルの伝統的な"正歌 (チョンガ) "と、ヨニの"歌謡曲"のそれぞれの魅力の対比がとても印象的でしたし、その歌によってユヌの気持ちが変化していく様子がすごく伝わってきて、逆に胸が痛くなるくらいでした。観終わった後に気になって調べたら、2人ともレッスンを重ねてきて表現した本人の歌声だと知り、演技だけでなく歌の才能もあるのだと更にファンになってしまいました。



ちなみに、ユ・ヨンソクも劇中「アリラン」をピアノで弾くシーンがあるのですが、そこもご本人の演奏だそうです。そちらもとても真に迫って胸に響く演奏でした。



3人の、特にハン・ヒョジュ演じるソユルの感情と歌が観終わった直後より、時間が経つにつれジワジワとその切なさとともに胸に広がっていくという映画でした。

新年早々、とても素敵な映画に出会うことが出来て、2017年は本当にいい一年になりそうです。
みなさんも新しい年のはじまりに、3人の胸を打つ切なくも美しい愛の物語に魅せられてみてはいかがでしょうか。

『愛を歌う花』はシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開中。



監督:パク・フンシク『メモリーズ 追憶の剣』
出演:ハン・ヒョジュ『ビューティー・インサイド』「トンイ」、ユ・ヨンソク『尚衣院-サンイウォン-』『ビューティー・インサイド』、
チョン・ウヒ『サニー 永遠の仲間たち』『ビューティー・インサイド』、パク・ソンウン『新しき世界』『鬼はさまよう』
2016年/韓国/120分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:???/英題:Love,Lies/配給:クロックワークス
c 2016 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

Text:エスピーオー宣伝スタッフY
韓国映画・韓国ドラマを好きになってから15年以上。
時代劇からラブコメディまでジャンル問わず全般的に観ている。
2017年の目標は昔履いていたGパンが履けるようになること。

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