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【インタビュー】「輝くか、狂うか」チャン・ヒョク 「運命的な出会いは、きっとある」<後編>


「輝くか、狂うか」主演のチャン・ヒョクさんに迫るインタビュー。後編はチャン・ヒョクさんご自身いついてのお話をお伺いします。

前編はこちら
★「輝くか、狂うか」公式サイトはこちら

※このインタビューは2015年夏に実施されたものです。


●この物語は"運命"がとても大きなテーマになっていますが、チャン・ヒョクさんは"運命"を感じた経験はありますか?
また、ドラマの初めに「会うべき人には会おうとしなくても会える」というセリフが登場しますが、仕事でもプライベートでも、会うべきだから会えたと思うような、運命的な出会いがありますか。


面白いのは、「運命のように君を愛してる」も、「輝くか、狂うか」も運命によって出会ったふたりの男女のラブストーリーじゃないですか。運命的な出会いは、きっとあると思います。
職業が俳優なので、作品が始まってはダメな作品もありますし、始まるのは確実だけど撮影してはダメな作品もありますし......。これは私の作品じゃないなと思っていても出演する場合もありますし。
縁というものはあると思います。その縁の最初がどこからで、どんなインパクトがあって、どんな印象の感情を持っているのか......だから運命でありながらも努力し、開拓しなければならないんです。

面白いエピソードのひとつは、私に初めて演技を教えてくださったイ・ジェヨン先生がいるんですが、その先生と共演するときは、いつも対立するキャラクターでなんです。ドラマ「いかさま師~タチャ」でもそうでしたし、映画『純粋の時代』でもそうでした。そういうことがとても多いんです。しかも、対立する以前は師弟関係だったりするので、なおさら実際に師匠だったイ・ジェヨン先生と共演するときは、そういう雰囲気をさらに出せる気がします。


●物語では、ワン・ソが大切に持ち続けているお守り(蝶の首飾り)が登場しますが、チャン・ヒョクさんもこれがあると安心する、といったお守りのようなものはありますか?

携帯電話です。以前は持ち歩く手帳だったんですが、今はすべて携帯電話にすべて入力するじゃないですが。スケジュールからその時その時に思い浮かぶ考えもすべて携帯にメモしているんです。SNSのせいではありません(笑)。携帯をいつも持って歩いていると思います、そんな理由のせいで。







●『チュノ』『根の深い木』など多くの時代劇に出演されていますが、時代劇に特別な思い入れはありますか?

時代劇はむしろ、すでに残っている歴史的記録を持って私たちが知っている、いわゆる歴史、国史などを通じて知った事柄じゃないですか。でも、表現するにおいての時代劇が何か創作した新しいものをさらに作り出すことができるので、キャラクター的に見たときにさらに面白い気がします。

フュージョン時代劇というものが、普遍化してきているじゃないですか。以前は、「フュージョン時代劇って何?」と知らない方々が多かったんですが、今はほとんど全ての時代劇がフュージョン時代劇なので、その時代背景にいたキャラクターと時間をどのように描写して作れるか......そうしていると、時代劇がさらに面白くなれるんです。再解釈もそうですし。

その反面、現代劇をやっていると少しでもその役柄がリアリティから外れたら、共感を得られません。でも、時代劇は、昔はこうだったけど歴史がこう直された、と言ってもいいですし。 時代劇をしていると、その時代にある社会的部分の時間や共感を作った後、創作して独創的に作り上げていける部分がすごくユニークだと思います。


●チャン・ヒョクさんは「マイダス」のような男らしい社会派の作品から、新作では「運命のように君を愛している」などのラブコメ作品と非常に多様なジャンルの作品にご出演されています。チャン・ヒョクさんが作品を選ぶ際に重要視するポイント等はございますか?

それは、よくわかりません......本当に。若い頃は、大衆媒体によって動かされるのが俳優なので、そこに合わせて動かなければなりませんでした。私がやりたいからといって観客の方々が見てくださらなければ...。

観客も重要で、私がやりたいことも重要で、舞台すなわち作品というものも重要で。だから、私がやらなければならない作品もあるだろうし、やりたい作品もありますし、やらざるを得ない作品もあると思います。その余地がどれほど状況を作っていけるのか、状況によって変わってくると思います。これは私だけでなく、すべての俳優たちに該当しているのではないでしょうか。でも、やはりやりたい作品をするのが一番良いと思います。

「ありがとうございます」


「マイダス」





●また、さまざまなキャラクターを演じてきたチャン・ヒョクさんですが、ぜひ演じてみたいのに、まだ経験していない役柄がありますか?

ミリタリー映画をやってみたいです。スポーツ映画やドラマも......。
体を使いたいのではなく、もう少しヒューマニズム的な。実際に私が軍隊の中で感じたことなんですが、戦争の中で巻き起こる事件が怖いのではなく、その戦争の前に人々がお互いに目の前の戦争に対する恐怖を払拭するために冗談を言い合ったりする姿がとても人間的な姿なんだと感じました。そんな感情的な部分を表現してみたいです。

スポーツをテーマにした作品も、私がスポーツをたくさんするので、その中にはただ単純にその人がつらいことに打ち勝って人間的に勝利したということではなく、機能的な部分もあると思います。
例えば、ボクシングだとしたら多くの方々が『ロッキー』や『ミリオンダラー・ベイビー』を思い出すと思います。もちろん、その作品で描かれた人間的な面もあると思います。でも、その中にテクニカルな雰囲気を加え、その人がどんな戦略や心理を通じてそんな感情をディテールで表現することができたのか、そういう内容もあると思います。


●これから「輝くか狂うか」をご覧になる日本のファンに向けて、作品全体としての見どころを、そしてチャン・ヒョクさん自身が思う、ワン・ソのここに注目して見てほしい!と思うところを教えて下さい。

こんにちは。『輝くか狂うか』でご挨拶することになりました。このドラマは、高麗時代の改革君主と呼ばれる世子の時代を描いた時代劇なんですが。とてもシリアスな時代劇としての立場だけでなく、その中にはロマンス的な要素も、コメディ的な要素も、改革する成長ドラマ的な要素も含まれていると思います。多くのエピソードが皆さまに楽しんでいただけると思いますし、本当に面白い時代劇になるんじゃないかと思います。

ワン・ソという役柄は韓国では非常にカリスマあふれる改革君主として知られ、その後は"血の君主"としても有名です。この人物をどう面白く、ヒューマニズム的で、彼が変化するしかなかった状況について描写しようと頑張りました。それが、視聴者の方々に説得力を持ってお見せできたらうれしいです。



撮影:Kim Da Un (STUDIO ZIP)
c 2015 MBC

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