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韓国に関するイベントのレポートをお届けします。

【イベントレポ】キム・ナムギル登場! KIM NAM GIL SPECIAL STAGE2016-ROAD SHOW-@TOKYO レポート

3月25日(金)、舞浜アンフィシアターにて、約2年ぶりとなるキム・ナムギルさんの来日公演が開催されました。

当日、舞浜の駅を降りると、そこは早くも別世界。さすがはディズニーランドのある駅です。


こんな素敵空間を通り抜けて、会場へと向かいます。
気分はもう、白馬に乗った王子様が待つお城に向かうお姫様です!


憧れのお米のスタンド(?)も進化していました! 米袋はダミーなんですね~

場内は半円形のステージと、それに沿った半円形の客席という、なんともオシャレな空間。
ステージ上部の-ROAD SHOW-のネオンサイン、赤いカーテンの奥にスクリーンという、シンプルなセット。劇場に来たみたいです。そしてなんと生バンドが。本格的です。

カラカラと映写機が回る音がする中、マナーCMが始まりました。この映像が面白かった! 映画『パイレーツ』『無頼漢』のシーンを使って、「こんなことしちゃダメ」とか、「ナムギルさんのために笑ってあげて」などの注意が続きます。そしてレッドカーペットの映像が、劇場の中へと私たちを誘います。

この-ROAD SHOW-というテーマには、「俳優そして男ナムギルの道をお見せします」という意味があるそうです。どんなナムギルさんと出会えるのでしょう。期待が高まります。

さあ、いよいよ登場です!
なんと、下からせり上がってきたナムギルさんが、生バンドをバックに、〈Endless〉を歌い上げます。
ナムギルさん、全身真っ白です! 白いのは馬ではなく、王子様のほうでした!
スポットライトの中で、眩しく光ります。

歌い終えるとすかさず「フフフ」と笑うナムギルさん。
「シリアスにいこうと思っていたのに何で笑ったんだろう? みなさんお久しぶりです」という第一声で会場を和ませると、MC・古家正亨さん、通訳・根本理恵さんという最強の布陣でトークが始まりました。


-ROAD SHOW-にはどんな意味が? と聞かれ、
「俳優として僕が歩いてゆく道をお見せするという意味もありますが、ROAD=道は、韓国語で「ギル」ですよね。僕の名前の中にも「ギル」がありますので、僕がお見せするSHOWという意味もあります」との深いお答え。

そして、「スピーカーの横の席の方は、うるさくないですか?」とファンを気遣うひと言。
リハの時に気になったのでしょうか? 客席の状況にまで気を配るナムギルさんの姿にプロ意識を感じました。
さらに、久しぶりの再会でまだちょっと硬い空気に、「2年前は僕が何をしても皆さん喜んでくれたのに~」とつっこみを入れて和らげようとしてくれました。
2年ぶりの日本はどうですか? と聞かれ、「チョア(いいね)」とひと言。この「チョア」に、きゅ~んですね。

ここからのトークテーマは、ナムギルさんの「2年間の歩み」です。

※大阪公演の写真です

■俳優、キム・ナムギルの道
-つい先日、メロ映画に出演決定のニュースがありましたね?
この『マイ・エンジェル』という映画は、メロというよりはヒューマンドラマです。シナリオには日本映画の雰囲気がありました。妻の死を受け入れられない男性が、ひとりの女性との出会いにより、ようやく妻を見送ることができるというストーリーです。

端的に、そして興味をそそるように、映画の内容を説明するナムギルさん。
頭が良いのか、作品の理解力があるのか、ここでもプロ意識を感じました。

トークの途中には、スクリーンにナムギルさんのアップが映し出され、ウィンクしてくれるというサービスも。

-ここからは、2015年の出演映画に関してのトークです。
(女の子みたいな声で)ハイ! (可愛い~の声に日本語で)チガウ、チガウ、スイマセン、スイマセン(笑) 去年はカンヌにも行かせてもらいましたし、映画の撮影もしましたが、一番していたのは、皆さんからいただいた写真や手紙を見ることでした。

-「花、香る歌」という映画ですが、日本でもまもなく公開ですね。監督からのオーダーは?
僕は特別出演なのですが、『アンサンブル』のイ・ジョンピル監督とのご縁で出演しました。古典芸能であるパンソリがテーマで、個人的にも良い作品だと思いました。
僕の役柄が葛藤している人物なので、監督は現場の人たちに僕と親しくするなと言っていたようです。僕は普段、共演者やスタッフとすごく親しくするほうなのですが、お陰でいつもひとりでした...。

すでに映画を観たファンから「犬の声やって~」とリクエストが飛び、すかさず「ワンワンワン!」と鳴きまねまでしてくれました。
個人的は大好きな『無頼漢』も掘り下げて欲しかったです~

-では、2016年はどんな作品が待っているのでしょう?
(スクリーンの写真を見て)これは『パンドラ』という映画です。災害ブロックバスター映画で、「見えない物の脅威」を、演技を通して伝えるのが大変でした。

次は『殺人者の記憶法』という作品です。これには原作があります。殺人者そのものを描いたというよりも、ひとりの人の記憶に関する映画です。私とは全く正反対のキャラクターです。

-大切な作品になりそうですか?
大切でない作品はひとつもありません。この作品では、僕が持っていない暴力的な部分を最大限に引き出して演じました。サイコパスなどの既存のカテゴリに属さない殺人者でした。
これもいつ公開になることか...

「ドラマに出演すれば、皆さんに早くお会いできるのですが、年齢的にドラマのオファーは来ないんです」と小声になるナムギルさんに、ファンから「えー」という声。



■男、キム・ナムギルの道
日常生活はどうなの?ということで、携帯の中の写真をチェックするコーナー。
『パンドラ』撮影中の体力づくりのためジョギングする写真や、サッカーに興じる映像を見せてくれました。「アン・ジョンファンですか?」というツッコミに、大笑いするナムギルさん。ひとりでやるスポーツより、チームプレーが好きなのだそうです。小さな社会のようで、団体生活を学べるから、ということでした。

客席に向かってボールを蹴るポーズを求められ、「普段は照れないなのですが、これは恥ずかしい!」と言いながら応じてくれるナムギルさん。
さらに、「お尻の形がキレイ!」という話になり、「こっちにもお尻見せて~」とのリクエストに、またまた激しく照れながらも客席に後姿を見せてくれ、「このトーク、R指定にしなくちゃね」と笑わせてくれました。

カメラマンをしている写真に関しては、
「カメラに関心があって撮影も好きなので、親しい監督さんの時には何カットか撮らせてもらいます。『パンドラ』『殺人者の記憶法』の時にも撮りました。実際に使われるかどうかは分かりませんが...。映画を撮ってみたいという気持ちはありますが、まずは俳優として成長してからですね」
もし使われていたら、是非とも教えて欲しいですね!

続いてギター演奏中の写真です。韓国のファンがプレゼントしてくれギターだそうです。
とくれば、「弾いて~」ってなりますよね?
「ダメだよ、まだ初心者だから!」と慌てるナムギルさんの横に、すっとギターが置かれます。
致し方なくギターを構えるナムギルさん。ポロポロ~ンと弾き出すと...
ん?何の曲? あれ?間違えた? 
意地になって何度も弾き直すナムギルさん。最後は子供みたいに「もうやらない!」と投げ出しました。
いったんステージを後にする前にも、もう1度チャレンジ。でも結果はやはり...
「僕のギターと形が違うから...」だそうです(笑)

ナムギルさんを待っている間にも、スクリーンには素敵なインタビュー映像が流れ、ファンを飽きさせない工夫が用意されていました。





■第2部 ミュージカル形式のライブ
「初めてお会いした時間、2年間離れていた時間、またこうして再会した時間。それをミュージックドラマのような形でお見せしたいと思いました」という第2部。
準備期間がない中で考えてくれた内容とのことで、嬉しいですね。

〈僕の人〉を歌いながら登場したナムギルさん。
今度は黒いスプリングコートに、襟が特徴的な白いシャツ、黒いパンツに、パイソン柄(?)のキラキラのスリッポンで登場! こちらも素敵です! 申し遅れましたが、ずっと生足です。

さて、幸せな恋人たちの物語は、別れの時を迎えます。
スクリーンに映る雨の街をバックに歌う〈別れのタクシー〉。
タクシーの停留所にナムギルさんが佇み、客席に目を向けます。
最前列から、「んぐっ」と、歓声を飲みこんでしまったような声が聴こえ、ナムギルさんも思わず吹き出しそうになります。しかしすぐ演技に戻ります。ピアノの伴奏が切なさを誘います。
反対側の屋台に移動して歌う〈焼酎一杯〉。そして〈愛しているから〉で、彼女と再会。
ここでなんと、ナムギルさんが客席に!!!!
歌いながら通路を歩き、ハイタッチや握手をして回ってくれました。会場騒然!!!
ファンが持っていた飼いネコ・タムタムちゃんのパネルを、大事そうに持っているナムギルさんが可愛すぎました。



それにしても、切なく美しいストーリーが、素敵な映像と字幕と演奏で紡がれたミュージカルドラマ。こんな一人芝居のDVD、またはストーリー仕立てのPV集、出してくれないでしょうか?

ここでバンドメンバーの紹介。韓国の「不朽の名曲」という有名音楽番組で演奏している方々なのだそうです。「僕がどれくらいすごいかわかるでしょ?」とナムギルさん。
ギターのチェさんが、リチャード・マークスの「ナウ・アンド・フォーエバー」の前奏を弾きます。あ、さっきナムギルさんが弾こうとしていた曲、これだったんだ(笑)

■リクエストトークのコーナー
こちらはファンから寄せられたお悩みを、ナムギルさんが解決するコーナー。
「24歳の娘に彼氏ができないのだがどうしたらいいか?」
「社会人1年目で、体重が10キロ増えてしまった。どうしたら痩せる?」
「どうしたら歌に感情を込めることができるか?」
といったお悩みひとつひとつに、ユーモアたっぷりに答えていました。

ナムギルさんも「ひとりカラオケ」に行くそうなのですが、ノリノリの曲ではなくバラードばかりを歌うので店長さんに驚かれるという話を、体をくねらせて感極まって歌うジェスチャーを交えつつ、楽しく語ってくれました。

そろそろ、最後の時間です。
3月13日にお誕生日を迎えたばかりということで、ファンの皆さんから寄せられたバースデーカードのファイルが贈呈されました。大切そうに捲りながら眺めるナムギルさん。

最後の挨拶では、そのファイルをテーブルに置いたままにせず、しっかりと脇に抱えます。
「久しぶりにお会いできて嬉しかったです。これからも、映画俳優として、皆さんから愛される俳優になれるよう、映画に出続けたいと思います。もちろん、かっこいい俳優さんのほうに気持ちが移ってしまった人もいると思いますが(冗談ぽく咳払い)、でもここにいる皆さんが本当のファンです」

そして韓国から駆けつけたファンにも、真剣な顔で「韓国でファンミができなくて申し訳ない。私はこんな素敵な俳優のファンなんだと誇らしく思ってもらえるように、一生懸命頑張ります」という長いメッセージを送り、それを見事に訳した根本さんのほうを振り向いて賞賛していました。

「本当は朝まで一緒にいたいんだけど...。ミナサン、アイシテルヨ」
そう言ってステージを去ったナムギルさんでしたが、アンコールに応えて、ステージ中央から再びせり上がって再登場。〈愛してはだめですか〉を歌い、可愛く「アンニョーン」と言って去っていきました。スクリーンにはエンドロールが映され、2時間15分ほどのイベントが終了しました。

無口で気難しそうなイメージを勝手に持っていましたが、実際のナムギルさんは、優しい口調でユーモアたっぷりにお話してくれて、とっても楽しそうに大きな声で笑う人でした。このギャップにやられます。

何よりも、映画俳優としての強い決意を聞かせてくれたナムギルさん。
これからも続いてゆく「ROAD=ギル」を、しっかりと見届けていきましょう!

〈文:村野奈穂美〉

※大阪公演の写真です
※大阪公演の写真です

◇キム・ナムギルジャパンオフィシャルファンクラブ「Gil Voet」
オフィシャルツイッター(@kngjapan)

◇オフィシャルフォトブック&DVD の発売情報
今回の来日公演の様子を収めたフォトブックと DVD の発売が決定!! いずれも、6 月 30 日(木)発売予定。
※DVD は大阪公演の様子をメインに、東京公演ダイジェスト、リハーサル映像などを収録予定。

○KIM NAM GIL SPECIAL STAGE 2016 -ROAD SHOW- PHOTO BOOK
○KIM NAM GIL SPECIAL STAGE 2016 -ROAD SHOW- DVD

◇『花、香る歌』
4月23日(土)より、シネマート新宿心斎橋ほか 全国順次ロードショー
監督:イ・ジョンピル
出演:スジ(miss A)、リュ・スンリョン(『王になった男』)、ソン・セビョク(『母なる証明』)、イ・ドンフィ(「朝鮮ガンマン」)/キム・ナムギル(『無頼漢 渇いた罪』『パイレーツ』)
公式サイトはコチラから




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