新作だと、『ジェネックス・コップ』(99)とか、ジョニー・トー監督の『ザ・ミッション 非情の掟』(00)とか......挙げたらきりがないです。

  

あとは、やはりレスリー・チャンですね。
夢中で突っ走ってきて、でも誰でもふと立ち止まることってあるじゃないですか?
このままでいいのかな?みたいな。
それが2003年でした。
SARS(サーズ)が大流行して、テレビでは人気のない香港の映像が流れていたりして。
暗い気持ちになっているときに、レスリー・チャンの訃報が飛び込んできて......。
同じ年にア二タ・ムイも亡くなったり。ひとつの転機だったと思います。

―当時のレスリー・チャンの訃報はアジアファンにとって衝撃でしたもんね。
村野:ぽっかり穴が開いたような感じだったと思うんですよね......
だから「追悼特集」という頭はありましたが、すぐには手がつけられなくて、少し遅れてスタートしました。でもやっぱり、私もファンの方々も涙が止まりませんでしたね。

―少し暗い年でしたね。
そういう空気と、自分の中のモヤモヤが重なったんですね。自分に限界を感じたり......

―香港映画以外は?
"韓国映画"を意識し始めた時期でもありましたね。
1999年に公開された『八月のクリスマス』(98)を観た時に、「韓国映画の時代がくる!」と思ったんですよ。ラストシーンの細やかさが特に素晴らしくて。主役のハン・ソッキュが喫茶店の中にいて、愛おしそうにガラス窓を手でなぞる。それだけで、外にヒロインがいるんだと思わせるんですよ! 涙、涙ですよ!

―また出会ってしまった?
はい(笑)その後、日本でも韓国映画の公開作品が徐々に増えてきて。『シュリ』(99)とか『リベラ・メ』(00)とか、ハリウッドの様なパワーのある映画が出てきたんですね。
それとともに、私もだんだん韓国俳優の顔を覚えていって、香港映画のように「この人かっこいいな~」といった感じで観るようにもなっていきました。
もともと韓国映画って、監督のネームバリューで観られてきたという印象があったのですが、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』(99)とか『JSA』(01)とか『ガン&トークズ』(01)とかが出てきたときに、「これからは俳優だ! スターだ!」と思ったんです、生意気にも(笑)それで、「俳優で観る! ○○特集」なんてタイトルで、香港映画のように俳優くくりで特集をやったりしました。

  

―韓国映画の特集をやり始めたんですね。
村野:でもそれも苦肉の策というか。
幸運にも『ペパーミント・キャンディ』(00)をキネカ大森で公開することができたのですが、韓国映画の人気が高まるにつれ、上映する劇場が増えていったり、配給会社さん的にも、もっと都心の大きな劇場で上映したいと思うのが当然ですよね。
それで新作がだんだん手掛けられなくなってきて、それなら、その年に公開された韓国映画をまとめて全部やってやる!とか。タダでは負けない、的な(笑)

でも、香港映画も同じような状況になって......
そういうジレンマと、2003年以降の喪失感というのがリンクして。
このままこの仕事を続けるべきなのか......という迷いがどんどん膨らんでいって。
そうこうしているうちに、キネカ大森の方向性も変わっていって、アジア映画をほとんどやらなくなりました。

(第3回につづく。次回はいよいよ、SPO・シネマート六本木編!

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