■アーメイは、ファンを置き去りにしない

1月24日(日)、お台場のZepp Tokyoにて、台湾の歌姫、アーメイのライブが行われた。
毎度のことだが、台湾のトップアーティストのライブをこのキャパで観られるのは貴重だ。
1階も2階も、指定席はもちろん、後方の立見席までギュウギュウという満杯の客席が、アーメイの登場を待ちわびている。そして開演-

ツアーロゴを施した黒い幕がかかったステージに、ロック調の重厚なサウンドが流れ、アーメイのハイトーンヴォイスが響く。オープニングは〈戰之祭〉。まだ姿は見えない。
音が止むと、方々から「アーメイ!」という声援が飛び、赤いサイリウムが振られる。

遂に、黒い幕が落ちた。最前列にバンドメンバーとコーラスが並び、少し下がってアーメイが立つ。
会場からは大歓声が起こり、全員が一斉に立ち上がる。
〈開門見山〉〈黑吃黑〉と、激しいロック調のナンバーが続き、バンドメンバーの名前が呼ばれる。
ドラムは「ミツルさん」。日本人だ!
曲の合間合間で観客に声をかけ、「Come on!Come on!」と会場を煽るアーメイ。

冒頭3曲は、原住民であるアーメイが、プユマ族(卑南族)の族名、阿密特 (AMIT)の名義で発表したアルバム曲。2009年のアルバム「阿密特」と、2015年の最新アルバム「AMIT2」から構成されている。
LGBTなどの性に関しても取り上げているからか、会場のそこかしこで、虹色の旗が振られている。

曲が終わると、ものすごい大歓声が沸き起こった。
「今回の東京のライブは特別です」
「いつもと違って1列目がこんなに近い。みんなの顔が良く見えるよ!」
「昆明から! マレーシアも! すごいね! 台北は? 東京は?」
「後ろ~! 2階~!」
「アタラシイ、ウタ、ウタウ」と日本語で言い、確かめるようにドラムのミツルさんを振り返る。
ミツルさんが「東京サイコー! アーメイサイコ!」と叫ぶと、アーメイが「ミツルさんサイコー」と返す。

4曲目〈你想幹什麼〉では、「声出して!」「手を挙げて!」、5曲目〈牙買加的檳榔〉では、「音を感じて! 東京! 一緒に!」と観客をのせてゆく。すごい盛り上がり。

「台北では雪が降ったんでしょう?」
昨日、南の島・台湾に、雪が降った。東京の予報も前日までは雪のはずだった。
「東京は降ってないね。だから来たの(笑)」
「熱いね。こんなに(客席が)近いなんてことないから、どこ見ていいかわからない~(笑)」
と言ってはいるが、歌いながら何度も何度も観客と目を合わせていた。
そしてここでひとまず、「疲れちゃうから、座って」と促す。

赤いキラキラのマイクスタンドが用意され、6曲目〈血腥愛情故事〉へ。
曲の終盤には、このスタンドから何本もの赤く細い光線が客席に向かって放たれた。
客席がどよめく。かっこいい。

曲が終わると、観客が口々に叫ぶ。
「ところで女性はどれくらいいるの?」というと、女性から歓声が上がる。
中国語の単語を日本語で何と訳すか観客に聞く。「タイセツ?(大切そうにもう一度)タイセツ...」
そして歌われたのは7曲目〈母系社會〉。
プユマ族は母系社会なのだそう(母権社会とは異なる)。重く訴えかけるような歌声が響く。

ここまで、すべてが阿密特の曲。特に4~7曲目は最新アルバム「AMIT2」からという構成。
アーメイが今、何を打ち出したいのかがよく分かる。
観客の大半が、しばらく日本で暮らしている台湾人だとすると、求めているのは慣れ親しんだヒット曲なのかもしれない。それでも、アーティストとして今の自分を貫き、メッセージ性の強いロックナンバーを並べたアーメイ。

とはいえ、アーメイが素晴らしかったのは、ファンを置き去りにしないところだ。
どんな歌でも、前奏や間奏で観客に声をかけ、曲に引きこみながら、ライブを作っていく。

歌っている時の圧倒的な歌唱力。存在感。
そしてMCでは暖かくて可愛いらしい声で、ユーモアたっぷりに観客とキャッチボール。
アーメイの存在はよく知っていても、実は曲をよく知らずに来た私は、正直不安だった。
けれど、最初から最後まで引き込まれ、観客と同じようにリズムに合わせ体を揺らしていた。

そんなことを考えていると、またまた客席との掛け合いが始まった。
「長い間日本語を話してなかったら、忘れちゃった...」と言うと、客席から日本語で「カワイイ~」「カッコイイ~」という声援が飛ぶ。アーメイが「カワイイネ~」「カッコイイ~」「スゴイ~」と返す。

「次の曲、知っていたら、大きな声で歌って。東京でこの歌が歌われるのを聴きたいから」
イントロがかかると、うおーという歓声がおき、アーメイが「歌える? 手を振って」と優しく誘う。
一斉に左右に揺れる手に、「キレイ!」とアーメイ。

8曲目〈掉了〉。
前半から一転して、柔らかくやさしいメロディ。心地いい。いい曲だな~
あ、これ、蘇打綠の青峰が提供した曲なんだ! なるほど。

9曲目〈偏執面〉から続き、〈跳進來〉では、「立って!」「東京!準備はいい?」「もっと欲しい~?」と再び会場のテンションを上げてゆく。客席はジャンプ、ジャンプ!

そして11曲目〈渇了〉。
なんかこの感じ、知ってる...と思ったら、八三夭の阿璞が提供した曲だった。
すごい盛り上がり。

ヘドバンしていたアーメイはMCで息切れ。
また着席したものの、そのままのテンションで客席との会話が続く。
すごい盛り上がり。

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