プロフィールにも軽く書いているが、僕の故郷は福岡県の北九州市だ。
先日、シルバーウィークで久しぶりに帰省した。


「出身はどちらですか?」
「九州です。福岡ですよ。」
「ああ。博多、中州とかいいですよね。」
「ですね。でも、博多ではなくキタキュー(北九州)です。」

東京でこの手の会話の時にはいきなり「北九州出身です」というと北部九州みたいに
エリアでとらわれやすいので、わかりやすく「福岡です」と言うようにしている。

でも、地元キタキューでは「福岡に行かん?」「どこ住んどん?福岡?」など、
福岡という単語を使うときは県ではなくあくまでも隣の市、「福岡市」のことを指す。

福岡県=博多みたいな印象は全国的な認知度としても事実だとは思っているが
あくまで北九州市民にとってキタキューはキタキュー、福岡(市)ではないと
無駄な意地をはるクセがある。

川崎市民の知り合いがいて、これまた神奈川県=横浜というイメージの中で
「俺は横浜じゃない、川崎だ!」
「あ、それわかります!」
と(無駄に)意気投合した覚えがある。

実際に川崎に遊びに行ったときも街並みがどこか北九州と同じ"におい"がした。
なんだろう、すぐ隣に全国レベルで有名な大きな都市があり、
お互いにギャンブルや工業の街というイメージのちょっとアウトローな感じが
そう思わせたのか。
そこになんとなくシンパシーを感じて居心地がよかった。

ドラゴンボールでいうなら常に余裕の人気者、孫悟空が横浜と博多だ。
そこににいつも敵対心むき出しで噛みつくベジータのような立ち位置が川崎と北九州だ。

そんな愛する北九州は小倉駅へ到着する。小倉は北九州市の中心的な拠点。
やはり連休ということもあり、人はいつもより多かった。
駅の北口にはすぐ港があり、工場の煙突から煙がふきだしている。
その海の向こう、関門海峡を挟んだ向こうには本州の下関市が見える。
そしてメイン通りとなる南口を出ると街並みの中心には当たり前のように山があり、
それを囲うように立ち並ぶビルが見渡せる。
都内出身の人を連れて行ったりしたこともあるが、「街の中に山がある!」と
驚かれたことがある。こちらからすればその発言に驚いた。山があって当たり前だったから。

そんなことを思い出しながら繁華街のひとつ「魚町銀天街」のアーケードを歩く。
特に用事はなかったが久々に歩いてみた。資さんうどんはやはり美味い。

僕が住んでた頃にはまだ開発段階だった「リバーウォーク」なるテーマパークも歩いてみる。
そこには小倉城も変わらぬ風景のひとつとして君臨している。

ガラの悪そうな(悪いとは言っていない)連中も相変わらずあちこち歩いている。
路地裏の居酒屋「白頭山」では、デカグラスにあふれるほど注がれる焼酎は200円だ。

昔、この白頭山でとなりの座敷のおっちゃん2人が酔っぱらってケンカをはじめ、
おかみさんが「あんたら迷惑やけぇ表でやれっちゃ!」と怒鳴りあげてつまみ出し、
実際に外でケンカを続けていた2人はそのまま二度と店内に戻ってこなかった。
ケンカがどうなったかは知らんが、結果としてはまんまと食い逃げだ。
ちなみにそういう時の他のお客さんは日常風景なので無反応だ。
昔のカンフー映画で店内でバトルしてるのに隣のデブは平然と肉まん食ってるようなアレに近い。

そういう思い出も含めた変わらぬ空気に「ああ。これこそ北九州だ。」と安心する。
東龍軒はやはり美味い。

競馬場があり、競輪場、オートレース、競艇場、そして港町であり山にも囲まれる。
城があって遊園地があって空港があって工業地帯。ついでに言うと風俗街でもある。
規模的には人口100万人近いれっきとした政令指定都市だ。
ひとつの街にこんなに色んなものが密集しているのもあまり聞いた事がない。
改めて思うがファンタスティックな街だ。
そんな景色の中で幼少期から当たり前のように過ごしていたが、
東京に出てきたからこそ民度の違いに気づくし、色んな意味でここで生まれたことを誇りに思う。

ついでにもうひとつ。
小倉の屋台ではお酒をいっさい出さない。
酒飲みの九州の屋台なのにメニューにお酒がないってウソでしょ??
と驚くかもしれないがまぎれもない事実なのだ。

でもご安心を。出さない代わりに酒類は持ち込みがオールOKだ。
屋台のすぐ後ろには24時間スーパーがあるのでそこで買い込んできて飲めばよい。

ではなぜお酒を出さないのか?
血の気の多い街なので酔っぱらい同士のケンカも絶えず、
「責任とれないのでお店側からはいっさいアルコールは提供しません。飲むなら自己責任で
勝手に飲んでください」と、都市伝説に近いがつまりはそういう理由だ。
客も客だが、それをドヤ顔で実行している屋台も屋台だ。
そんな無頼漢たちにもまったくひるまない姿勢、むしろ買ってこさせる姿勢。
あんたらカッコいいよ。

ちなみに屋台で「おばちゃん灰皿ちょーだい」と言った時は
「あら、無いわ。地球(地面)に落としときぃ。後で掃除しとくけん。」と言われた。


道路脇に手榴弾が発見され、機動隊により半径5キロが通行禁止になったりもする。
そのおかげで市の条例として「手榴弾捨てるな条例(レプリカもNG)」の発令案も出たほどだ。
福岡県警のHPには「手榴弾を見つけたら」という対処法?まであった始末。

港町、門司の警察署の壁には「STOP THE 密輸!」と書かれたデカい横断幕があり、
そこには「見つけた方はコチラまで」といったフリーダイヤルまでご丁寧に表記している。
一般市民が簡単にわかるか!

これも昔の話だが「どうしても急いでいた」という理由で消防車をかっぱらい、
サイレンを鳴らして他の車を避けさせて信号は無視して走り、
速攻で目的地に着いて乗り捨てたというパンチの効いたニュースもあった。
当然犯罪なので許せる事ではないが、発想がロクでもないのか賢いのかもはやわからない。

とまあ、修羅の国とまで言われたりもするが、敢えてそれに近いトピックをあげているだけで街ゆく人々はほとんど笑顔で明るく歩いているし、親戚のおばさんの家にいけば既に優勝が決まっているにも
関わらずソフトバンクホークス戦のラジオ中継が流れているし、
友達の家にいけば我が息子のように大量に料理が出てくるし妹の友達でさえも
「兄ちゃん帰ってきたん!」とすっとんで遊びにきてくれたりもする。
そのまま皆でカラオケに行って友達は一升瓶をまくらに居間で転がって寝ている。
そんな、基本的には平和で明るく愛あふれる素敵な街だ。

と、今回はただの故郷回顧録となってしまったが、北九州のエネルギーをチャージしたので
また改めて東京でも胸をはって生きていきたいと思う。


<筆者プロフィール>
名前:UMS(エスピーオー男性社員)
出身地:福岡県北九州市




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